ヒト造血幹細胞の加齢現象を評価する方法を確立すること、造血細胞移植前後による造血幹細胞の変化をとらえることを目的とした。具体的には、造血組織における幹細胞を集団としてとらえ細胞分画内の加齢(老化)現象を観察する方法を実施した。造血幹細胞分画のリンパ球系細胞と骨髄球系細胞の比率で細胞集団の加齢を評価する方法である。通常加齢マーカーに使用されるテロメア長では造血幹細胞の短期間での加齢現象は証明できないが、CD34陽性細胞のIkaros/CEPBPa比では15~45歳のヒト造血幹細胞の変化を検出できる。しかしながら、その精度に課題が残るため、さらに高い精度で検出方法の開発が望まれる。
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