研究概要 |
細胞休止期には細胞内に存在する蛋白質p47phox, p67phox, p40phoxとRacは、病原微生物等の貪食刺激時に、細胞膜に移行して膜蛋白質であるシトクロームb558と結合することにより、食細胞NADPHオキシダーゼは活性化される。この活性化型NADPHオキシダーゼは活性酸素を生成し殺菌する。慢性肉芽腫症(CGD)は、食細胞NADPHオキシダーゼの遺伝子異常により、細菌及び真菌感染を繰り返す疾患である。本応募課題ではpre-mature stopの除去機構の解明とCGD患者の症状の改善を目的とする。 応募者等はgp91phoxのプロモーター領域の解析を更に進め、エピゲノム調節機構まで明らかにした。即ち、gp91phox遺伝子の転写にはヒストンアセチルトランスフェラーゼであるGCN5が必須であることを明らかにした(Kikuchi H and Kuribayashi F et al., J. Immunol. 2011)。更にGCN5はDNAポリメラーゼηの調節をすること(JBC 287-39842, 2012)やインターフェロン応答(IRF-4)にも関与することを明らかににしてきた(J Leukoc Biol 95-399, 2014 )。
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