研究課題/領域番号 |
24591564
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
楠原 浩一 産業医科大学, 医学部, 教授 (20243941)
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研究分担者 |
佐藤 哲司 産業医科大学, 医学部, 助教 (10389447)
佐藤 薫 産業医科大学, 医学部, 助教 (70596733)
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キーワード | 周期性発熱 / PFAPA症候群 / 自己炎症疾患 / シメチジン / 治療 / 作用機序 |
研究概要 |
PFAPA症候群の急性期の血清および末梢血白血球の解析から、血清ケモカインの中でCXCL9 (monokine induced by gamma-interferon, MIG)が高値をとること、また単球において活性化マーカーであるCD64の発現が亢進していることが明らかになり、本症候群の病態に単球が主要な役割を担っていることが示唆された。そこで、単球性白血病由来細胞株THP-1を用いてin vitroでの検討を行った。まず、THP-1細胞をlipopolysaccharide (LPS)で刺激した場合の培養上清中のIL-β濃度の比較検討を行った。その結果、LPS単独の場合に比べて、LPS+シメチジンでは、有意にIL-1β濃度が低下しており、シメチジンは単球における自然炎症経路を抑制する作用があることが明らかになった。この系において、THP-1細胞からmRNAを抽出し、リアルタイムRT-PCR法により各種遺伝子の発現を解析した。IL1Bについては、シメチジンの有無で発現に変化がなかったことから、シメチジンによるIL-1β産生の抑制は、遺伝子発現の抑制ではなく、proIL-1βからIL-1βへの変換に関与する過程で生じていることが明らかになった。前年度のマイクロアレイ解析の結果、シメチジンの内服後に末梢血単核球でのmRNA発現が低下していた遺伝子についても検討したが、シメチジンの有無で発現に有意の変化はみられず、これら以外の遺伝子の発現制御を介して自然免疫経路を抑制していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vitroでの研究に着手することができたが、シメチジンが単球に作用する際の標的分子が同定できていない。
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今後の研究の推進方策 |
in vitroの系にマイクロアレイの手法を持ち込み、シメチジンが単球に作用する際の標的分子を網羅的に解析する。
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