研究課題/領域番号 |
24591572
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
斉藤 剛克 金沢大学, 大学病院, 助教 (30525035)
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研究分担者 |
太田 邦雄 金沢大学, 医学系, 准教授 (00303280)
杉本 直俊 金沢大学, 医学系, 准教授 (80272954)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 臨床 |
研究概要 |
報告(Arthritis Rheum 26 (1983), 1259-1265)を基に乳酸桿菌Lactobacillus casei細胞壁断片(LCWE)を作成した。Lactobacillus casei菌はグラム陽性桿菌であることから、LCWEの主成分はペプチドグリカンと考えられるが、作成の過程上精製の行程は含まれていないため、ペプチドグリカン以外にも様々な活性物質が含まれていると推察される。ペプチドグリカンに対する細胞表面の受容体はToll-like receptor(TLR)群のなかのTLR-2である。マウス線維芽細胞は細胞表面にTLR-2を発現するが、この細胞をLCWEで刺激すると炎症シグナルNF-kB経路が活性化し、細胞増殖が誘導された。このNF-kB経路の活性化や細胞増殖は細胞内のcAMP濃度の上昇に抑制されるが、cAMPの下流のシグナルであるpretein kinase A(PKA)とEpacの両者が関与することを明らかとした。また、TLR-2の発現していないグリア細胞でもLCWE刺激で炎症シグナルNF-kB経路の活性化とCOX2の誘導を認めたことから、LCWEの受容体としてTLR-2以外の受容体の存在が示唆された。その受容体の候補としてNOD1やNOD2などの細胞内受容体が挙げられた。以上から、LCWEは細胞表面もしくは細胞内の様々な受容体を介して細胞を刺激し、炎症シグナルを活性化することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
LCWEは単一の物質ではないことが以前から予測されていたが、過去の研究者たちの報告ではその点が曖昧であった。そのため、本年度は主にLCWEの性質(キャラクター)の評価に力を注いだ結果、予定していた当初の予定よりやや遅れる結果となった。しかしながら、本年度の成果である「LCWEにはペプチドグリカン以外の生理活性物質が存在する」こと、「LCWEにはペプチドグリカンの受容体TLR-2以外にも他の受容体が存在する」ことが明らかとなったことは、川崎病の発病の解明に多大に貢献すると思われる。また、本年度の結果は、次年度以降のLCWEを用いた動物研究や細胞研究などの実施や評価・検討に極めて有用であると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、LCWEの性質(キャラクター)を評価した。次年度以降は本年度で検討されなかった項目の実施と他の細胞系や小動物系での検討を行う。川崎病では様々なサイトカインの高値が報告されているが、LCWE刺激でのサイトカイン変動、かつ各選択的PDE阻害剤が与える影響、血管炎および冠動脈瘤形成に与える影響の評価を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は、LCWEの性質(キャラクター)の評価に力を注いだ結果、動物実験を次年度以降の実施へと先送りとなった。また、情報収集や成果発表のための学会参加も次年度以降へ先送りとなった。そのため本年度に予定していたそれらの費用は次年度への繰り越しとなったため「次年度に使用する予定の研究費」が生じた。 研究推進のために、主に物品費、動物実験関連経費に充てる。また、成果発表や情報収集のために旅費およびその他(英文校正費、投稿料など)も必要量充てる。50万円以上の物品の購入はない。
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