川崎病では原因不明の発熱と全身性に血管炎が発現し、時として重篤な冠動脈瘤が合併する。この冠動脈瘤は突然死の原因にもなり患児のQOLを著しく低下する。乳酸桿菌細胞壁断片(LCWE)は動物に川崎病類似血管炎を惹起する。一方、細胞内セカンドメッセンジャーのcAMPが炎症反応を抑えることが知られている。本研究ではcAMPがLCWE刺激により活性化される炎症シグナルNF-kB経路と細胞増殖シグナルMAPK経路を抑制すること、そして、LCWE刺激による細胞の増殖も抑制することを明らかにした。また、cAMP下流のpretein kinase A とEpacの両シグナルが関与していることを突き止めた。
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