研究課題/領域番号 |
24591582
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50322342)
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研究分担者 |
橋本 優子 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60305357)
細矢 光亮 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80192318)
錫谷 達夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)
川崎 幸彦 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (00305369)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | RSV / ワクチン / マウス |
研究実績の概要 |
アジュバントとして用いたToll like receptor(TLR)刺激薬のマウスモデルを用いたRSウイルス経鼻ワクチンへの効果について検討した。 初回免疫としてマウスに経鼻にてRSウイルス-A2株(生ウイルス群)、紫外線(UV)不活化RSウイルス-A2株(UVウイルス群)、TLR刺激薬添加紫外線不活化RSウイルス-A2株(TLR-UVウイルス群)を投与した。生ウイルス群のみ感染に伴う体重減少(重症化)がみられたが2週間以内に回復した。初回免疫4週間後にRSV生ウイルスを感染させた。生ウイルス群では体重減少が軽減し初回免疫効果が認められたが、UVウイルス群、TLR-UVウイルス群ともに体重減少が遷延し免疫効果が認められなかった。また、体重減少において、UVウイルス群とTLR-UVウイルス群において差は見られなかった。 初回免疫4週の後、生ウイルスを感染させ、感染後4週間後に中和抗体を測定し初回免疫の感染後の中和抗体誘導について検討した。生ウイルス群ではRSウイルス-A2株への中和抗体価は32倍、サブタイプの異なるRSウイルス-Bへは4倍を示した。UVウイルス群、TLR-UVウイルス群ともにRSウイルス-A2株への中和抗体価は8倍、サブタイプの異なるRSウイルス-Bへは4倍未満であった。以上の結果から、経鼻による紫外線不活化ウイルスの免疫はその後の感染への軽症化は導かず重症化させ、さらに中和抗体誘導も生ウイルスに比べて不良であった。さらに、TLR刺激薬添加の効果は見られなかった。 以上の結果より、経鼻接種によるワクチン効果は生ウイルスを用いるべきであることが示唆された。
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