研究課題/領域番号 |
24591583
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
問山 健太郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00433285)
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研究分担者 |
糸井 利幸 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10264780)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 先天性心疾患 / 肺高血圧 / 肺血管内皮 |
研究概要 |
予定していたシャントラットの条件設定は終了している。当初、予想していたシャント後4週の時点でのシャントモデルでは、モデル間で肺動脈圧、心重量で有意な差が出ており、まだ肺高血圧に関連する変化を起こしてる最中と考えられた。 そのため、さらにシャント後8週モデル、シャント後12週モデルも作成し各郡で比較を行ったところ、シャント後8週のモデルとシャント後12週のモデルとでは、肺動脈圧、心重量で有意な差が認められず、シャント後8週たった時点で、肺への容量負荷がピークに達したと判断し、最終的にシャント後8週のモデルを肺潅流に使用することに決めた。 さらに、シャント後8週のモデルではHematoxylin-Eosin染色でも組織学的な変化も認められたため、前述したとおりにこのモデルでの孤立肺潅流実験を行った。 孤立肺潅流は、まずは虚血時間の設定のためにシャムモデルを用いて虚血時間を5分、10分、20分、30分、40分に設定して変化をみた。30分を超える虚血を施行した場合に、再灌流時の肺浮腫が有意に増加しており、30分以上の虚血については、肺組織に実質的なダメージを与えるものと考えられた。よって、虚血20分後に再灌流を開始するプロトコールを採用した。これで、シャムラット、シャントラットの両方で、虚血後再灌流実験を行い比較したところ、シャムラットでは再灌流開始後10-20分(平均で15分)で虚血前の肺動脈圧に復帰したが、一方のシャントラットの郡では再灌流後30分、40分経過しても肺動脈圧の高値が持続した。これによって、シャントによる肺容量負荷を加えたラットでは、虚血後再灌流を施行すると、肺動脈圧の上昇が持続することが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたシャントラットの条件設定は終了しており、当初の予想していたシャント後4週では差が出なかったため、さらに8週、12週でも比較を行い、最終的にシャント後8週のモデルを潅流に使用することとした。 前述したシャントモデルの条件だしのためにやや時間がかかってしまった。 その結果、ET-1、NOxの測定が終了できていないが、こちらも条件だしは完了しており、次年度早々に実測を行うことができる。
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今後の研究の推進方策 |
もともと予定していた肺潅流液内のET-1並びに肺潅流液内のNOx(NO2, NO3)の測定を行っていく。 また、当初の予定であった、PH crisisモデルの確立のために2回の虚血を負荷する虚血後再灌流モデルのプロトコールを施行していく。 また、追加の実験として、シャントモデルが細胞膜脂質に影響を与えていないかどうか検討をするための準備を進めていく予定。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度にはNOxの測定が達成できておらず、まずはその測定のための試薬のの購入に充てる予定。
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