研究課題/領域番号 |
24591586
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
浦島 崇 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20338875)
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研究分担者 |
本郷 賢一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (00256447)
角田 亘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (00453788)
草刈 洋一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80338889)
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キーワード | bisoprolol / 肺動脈絞扼術 / ミトコンドリア |
研究概要 |
左心室における心筋の線維化は拡張障害の原因として重要である。心筋の線維化は加齢や虚血などに伴って進行することが知られているが、右心室における線維化に関しての検討は少ない。著名な線維化を右心室に引き起こす肺動脈絞扼術モデルラットを用いて右室心筋における線維化と心機能の関連性を明らかにした。 150-200gのSDラットに肺動脈絞扼術を施行し右室圧負荷モデルを作成した。術後4週間に心エコーを施行し右室―肺動脈の圧差が80mmHg<のものに対して詳細な検討を行った。心エコーは1-2%のイソフルレンの吸入麻酔下でVivid 8, 12MHzのプローベを用いて測定した。RNAの定量はRT-PCRにて行った。β遮断薬であるbisoprololを投与して右心不全に対する効果を評価した。 結果;bisoprolol投与群で生存率は有意に改善した。心拍数、右室圧は有意差は認めなかった。右室における線維化率、右室/左室重量比はbiso投与群で有意に低下した。右室におけるPro-collagen 3, CTGF, periostinの発現はbiso投与群で有意に低下した。LC3A/Bとp62 はshamは肺動脈絞扼術モデルで上昇したが、biso投与群では有意に抑制された。 結論;bisoprololは肥大、線維化を抑制し右心不全による死亡率を改善した。LC3A/Bとp62はミトコンドリア機能障害のマーカーであり、bisoprololはミトコンドリア機能障害を軽減させ右心機能を維持している可能性が示唆された。 電子顕微鏡像においてもミトコンドリアの膨化、autophagyの亢進を肺動脈絞扼術モデルで認め、bisoprolol投与群では形態的にもそれらの所見の改善を認めた。Bisoprololはミトコンドリア機能不全を軽減させることにより右心機能を維持する可能性があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小動物用のMRIの故障があり使用が出来ずに脳への評価が2013年度に行うことができなかった。本年度早々にMRIは改善し使用可能な状況となったのでMRIを使用した評価を再開する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
bisoprololの右心室への効果がミトコンドリアを介して発揮されることを明らかにしたので、本年度は小動物用MRIを用いて脳血流、脳ミトコンドリアの機能、形態を評価することによって明らかにする予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の遅延に伴い使用する予定だったMRIの使用料、ラットの購入費用、飼育費用を減少したため新年度へ繰り越す必要症が生じた。 MRI使用料、モデルラットの購入、飼育費用、学会発表に関する経費、一次抗体、二次抗体などの購入費用に用いる予定である。
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