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2013 年度 実施状況報告書

胎仔の発達に伴う動脈管と肺動脈に発現する遺伝子の網羅的包括的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24591587
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

羽山 恵美子  東京女子医科大学, 医学部, その他 (00349698)

研究分担者 中西 敏雄  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90120013)
キーワード動脈管 / トランスクリプトーム / miRNA / プロテオーム
研究概要

酸素感受性血管の収縮弛緩のメカニズムを探究するために、動脈管および肺動脈を対象とし、メッセンジャーRNA(mRNA)、マイクロRMA(miRNA)、タンパク質を網羅的に同定・比較する。mRNAは翻訳されてタンパク質として機能するが、miRNAはmRNAに特異的に結合し、その翻訳を抑制する。本研究では、研究1:酸素感受性が未発達な未熟(胎生19日)・成熟(胎生21日)・新生仔(生後1日)ラットの動脈管・肺動脈を分析・比較する。(24年度)、研究2:成熟動脈管を用い、高酸素・低酸素に曝して分析・比較する。(25-26年度予定)
当該年度中に、本研究の遂行に必要なすべてのラットの血管試料の採取を完了した。採取した血管試料から不要な生体組織や血球などを極力を除き、total RNAの抽出し、RNA濃度の定量を実施したところ、トランスクリプト-ム解析に適する質と量の精製RNAを得ることができた。次世代シーケンサーにより、6種類の血管試料(19日(未熟)胎仔動脈管、21日(満期)胎仔動脈管と肺動脈、新生仔動脈管、高酸素処理満期動脈管、低酸素処理満期動脈管)のトランスクリプトーム解析を実施し解析結果を得た。現在、これら6種試料のトランスクリプトーム解析の比較検討を行っている。
プロテーム解析については、RNA抽出後のこれら血管試料可溶化液からタンパク質をアセトンを用いて抽出し、タンパク質濃度を測定し、予備的な電気泳動を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ラットからの試料調製は前半の最も時間を要する作業である。これまでに、本研究の遂行に必要な血管試料の採取を完了した。採取した血管試料から不要な生体組織や血球などを極力を除き、total RNAの抽出し、RNA濃度の定量を実施したところ、トランスクリプト-ム解析に適する質と量を得ることができた。
6種類の血管試料(19日(未熟)胎仔動脈管、21日(満期)胎仔動脈管と肺動脈、新生仔(生後1日)動脈管、高酸素処理満期動脈管、低酸素処理満期動脈管)のトランスクリプトーム解析を実施し、昨年度末に解析結果を得た。現在、これら6種試料のトランスクリプトーム解析の比較検討を行っている。
プロテーム解析については、RNA抽出後のこれら血管試料からタンパク質を抽出し、タンパク質濃度を測定し、予備的な電気泳動を実施した。蛍光標識を行えば、二次元電気泳動実施可能であるので、プロテオーム実施の準備が完了している。
よって、ほぼ計画通りに進行していると思われる。

今後の研究の推進方策

トランスクリプトーム:成熟(胎生21日)動脈管を中心として、未熟(19日)動脈管、新生仔動脈管と、それぞれ比較することにより、発達に伴う動脈管に発現する遺伝子の変動を探索する。また、成熟(胎生21日)動脈管を高酸素、低酸素で処理した場合、発現量が速やかに変化する遺伝子が存在するのか探索することにより、動脈管収縮における発現遺伝子レベルの変化が寄与するのかについて検討を行う。また、成熟動脈管のすぐ隣の大血管である主肺動脈のトランスクリプトームを比較検討し、発現する遺伝子にどのような違いがあるのか検討する。特異的に発現するmRNAについては、リアルタイムPCRを用いて精密に発現量を測定する。抽出精製したtotal RNAの残りから逆転写反応によりcDNA試料を調製し、測定試料としてリアルタイムPCR法により発現RNAの定量を行う。また、ターゲット遺伝子の一部をクローニングしたプラスミドをスタンダードとして段階希釈し標準曲線を作製して絶対定量を行う。内部標準として18Sを用いる。これらの検証により、成熟動脈管に必須の発現遺伝子群を探索・決定する。
プロテオーム:トランスクリプトーム解析の比較と同様の組合せで、蛍光標識二次元電気泳動法により、タンパク質レベルの違いについて、違いを検討する。すなわち、各血管試料タンパク質を2種の蛍光色素で標識し、組み合わせてそれぞれ一括して同一ゲル上で等電点/SDS二次元電気泳動を行う。発現量の変動を比較し特徴的なスポット(タンパク質)を検索し、質量分析法により同定を行う。これにより動脈管に特異的なタンパク質の検出を行う。

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公開日: 2015-05-28  

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