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2013 年度 実施状況報告書

小児期肺動脈性肺高血圧症の発症に関わる新しい伝達経路の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24591588
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

杉山 央  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70303419)

研究分担者 古谷 喜幸  東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10424673)
新谷 正樹  東京女子医科大学, 医学部, その他 (10578537)
中西 敏雄  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90120013)
キーワード特発性肺動脈性肺高血圧症 / 遺伝子変異
研究概要

111本研究の目的は、特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)の発症機序を解明することである。我々はDelta/Notchシグナル伝達経路がIPAHの発症に関与するのではないかと推測し、既知の原因遺伝子変異を認めないIPAH患者において、同シグナル伝達経路に関係する遺伝子変異検索を行った。その結果、2名の患者において、同シグナル伝達経路に関与するX遺伝子の変異を検出した。
我々はX遺伝子発現ベクターを作製した後にmutagenesisを行い、X遺伝子変異体の発現ベクターを作製した。その後、培養細胞にこのベクターを導入し、テトラサイクリンを利用したTet on システムにより、安定発現株を複数作製した。
野生株あるいは変異体発現ベクターが導入された 安定発現株を一定期間培養して免疫染色を行ったところ、変異体発現株ではX蛋白の発現量が減少していること、48時間経過した後にX蛋白の残存量が大きく減少していることがあきらかになった。さらにこれらの安定発現株内の各種小胞体シャペロンの発現量と局在についても検討したところ、変異体発現株では小胞体シャペロンが著しく減少していること、さらに一部のシャペロンが小胞体から核内へ移行することがわかった。
また、各安定細胞株の細胞増殖能および細胞生存性を検討したところ、変異体発現株は野生株よりも細胞増殖および細胞生存能力を亢進させる傾向にあることが明らかになった。さらにXタンパクに対するリガンドで刺激を行った場合に、野生株とは異なり、変異体発現株はいずれもXシグナル伝達経路を亢進しない可能性がルシフェラーゼアッセイの結果から示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

X遺伝子の安定発現株の作製自体にかなり時間を要し、細胞の増殖能・viabilityの確認や、Delta/Notchシグナル伝達経路に変異体が与える影響についての検討が不十分である。肺動脈平滑筋細胞の異常増殖が発症のメカニズムに関与していると考えられるため、特に細胞増殖能の変化をより詳細に確認していく必要がある。

今後の研究の推進方策

X遺伝子野生株および変異体の安定発現株のそれぞれで、アイソトープ等を用いて細胞増殖能の確認をすすめていく。同時に、X遺伝子変異体がこのシグナル伝達経路に与える影響について、western blottingやルシフェラーゼアッセイを用いて検索する。さらには肺動脈平滑筋細胞を用いて、X遺伝子がその増殖能に与える影響を確認する。

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公開日: 2015-05-28  

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