研究課題/領域番号 |
24591598
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 拓哉 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70396539)
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研究分担者 |
木村 芳孝 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40261622)
佐藤 尚明 東北大学, 大学病院, 助教 (70431567)
船本 聖絵 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 技術補佐員 (30570030)
董 宇鵬 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (10569320)
CLARISSA Velayo 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (30635636)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 胎児医学 / DOHaD / 低酸素遺伝子応答 |
研究概要 |
通常酸素分圧時における母体低栄養の影響を検討 本年度は低酸素耐性の差違を生じる背景に存在する通常酸素分圧時の遺伝子発現についてノ研究を実施した。 1.母体低栄養マウスの作成(伊藤・佐藤):繁殖に 十分な栄養含む餌を与えた1群を対照群とする。もう1群は対照群の餌と比べ蛋白含有量を約半分に制限した低蛋 白食群とする。両群ともに正常な雄マウスと交配し、妊娠17.5日目に胎仔脳を採取した。 2.遺伝子発現網羅的解析(伊藤・木村・船本・董・Clarissa):採取した胎仔脳からRNAを抽出し、雌雄の各1匹のRNAを等量混合検体を用意した。この検体、両群各6例をマイクロアレイ( 東レ 3D gene)による遺伝子発現の網羅的解析に供した。得られた遺伝子発現プロファイルに関してgeWorkbenchによる責任転写因子候補の検索を行った結果、HIF1-alphaおよびp53が候補にあがった。 3.Western blotによる蛋白質レベルでのシグナル活性の評価(董・船本・Clarissa・伊藤):Western blotによる蛋白質レベルでの評価は雌雄それぞれの検体を用意して解析を実施した。栄養状態によるHIF1-alphaの発現量を調整しているリン酸化酵素であるP-mTOR、HIF1-alphaではは蛋白質量の母体低栄養給餌による変化は認められなかった。一方、P-p53は母体の栄養状態に関係なく雌胎仔の脳では発現を認めたが、雄胎仔では母体低栄養餌給餌群でのみ発現を認めた。p53を抑制的に調整するMDM2は母体低栄養餌給餌群の雌胎仔でのみ発現量が増加していた。これらの結果から、少なくとも雄胎仔脳ではp53シグナルが更新している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
母体低蛋白食給餌による胎仔脳の遺伝子発現の変化をmicroarrayによって網羅的に解析し、ライブラリの作成をすることが出来た。また、HIF1-alphaおよびp53を責任転写因子候補として抽出することに成功した。下流遺伝子の転写産物に関するWestern blotも実施しており、研究実施計画に記した通りの進展と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通りに進捗しており、推進に問題は無いと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の予定より抗体の納入価格が安価であったため、H24年度予算に残が生じた。次年度以降は研究計画に則り、残金が生じないように使用する予定です。
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