研究課題/領域番号 |
24591604
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
谷本 公重 香川大学, 医学部, 教授 (10314923)
|
研究分担者 |
高山 蓮花 香川大学, 医学部, 助教 (90622035)
加藤 育子 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (00613720)
西田 智子 香川大学, 教育学部, 教授 (00243759)
日下 隆 香川大学, 医学部, 准教授 (50274288)
磯部 健一 香川大学, 医学部, 准教授 (00159815)
伊藤 進 香川大学, 医学部, 教授 (80145052)
|
キーワード | 母乳育児 / 母子相互作用 / 近赤外光分光測定 / 脳循環 |
研究概要 |
今年度は、日常の栄養として母乳育児中心である生後1か月から5か月の児とその母親を対象に、母子同時に両側前頭部に測定プローベを設置して、酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン、総ヘモグロビンの濃度変化を状況に応じて以下の3つの場面で測定した。なお、測定用具を携帯型近赤外線組織酸素モニタ装置(PocketNIRS Duo、ダイナセンス、日本)に変更し、より対象者への負担を軽減して測定を行った。 ①授乳:赤ちゃんの要求に応じて、母親が通常行うのと同様な方法で授乳をしている場面 ②ホルティング:母親が抱っこをして、子どもに話しかけたりあやしている場面 ③セパレート:母親と子どもがお互い直接、目視できないようにした場面 測定データは、23組の母子より得られた。現在、母子間の脳血流のコヒーレンスについて分析を行っているところである。また、昨年度測定したデータに関して、コヒーレンス解析、wavelet coherence analysis解析を行った。解析にはRを用い、wavelet coherence analysis にはwaveletCoパッケージを用いた。 その結果、10sec/cycle周辺に強いコヒーレンスがみられるため、wavelet coherence analysisから得られた周期10.03sec/cycleにおける40秒間の平均コヒーレンスとphase shiftを統計解析における代表値として用いた。血縁関係にある母子間のコヒーレンスであるか、否かを被験者間条件とした。血縁関係があるかどうかにかかわらず、成人と乳児間には同程度の脳血流コヒーレンスがあることがわかった。また、3つの場面間では、ホールディングが授乳条件より有意にコヒーレンスが高いことが示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究で用いる、唾液コルチゾールおよびオキシトシン検査において適切な検査キットが入手困難であること、さらに、研究者に事情が生じ、適切な研究補助が見つからず、研究推進の速度が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
唾液コルチゾールおよびオキシトシン検査キットを早期に入手するとともに、新たに研究補助者を確保して、測定を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究推進の速度が、唾液コルチゾールおよびオキシトシン測定キット入手困難および、研究者に生じた理由(研究に使える時間の確保困難)により、大幅に遅れている。 今年度は、研究補助者を雇用することにより、研究推進速度を上げ、それにより、測定キット選定、および、論文執筆、成果発表を行うこととする。そのため、研究補助者への謝金、論文の編集費用、国内外での学会発表にかかる費用が必要となる。
|