研究課題
分娩時に主に使用される胎児心拍数陣痛図(CTG: Cardiotocogram)から胎児の病態を推定する研究は、fetal heart rate(FHR)時系列データの波形としての特徴と分娩直後の臍帯動脈血pHなどのoutcomeとの関連性を中心に解析され、その知見が統合されてFHR時系列データの10分ごとのパターン分類がガイドラインとなった。しかし、このパターン分類の臨床利用を目的としたFHRレベル分類については主要国で3段階と5段階に分かれている。本研究ではこのパターン分類とFHRレベル分類の結果だけに着目し、これを多くの個人について集めて2次元化することで、経済の分野で開発されたさまざまな長期的な経済変動や政策による変動要因の解析に成功したパネルデータ分析の手法を適用できることを示した。この方法によりデータ量が約1/40と飛躍的に少なくでき、FHRパターンおよびFHRレベルの分類方法とパネルデータ分析によるoutcome解析を分けて評価することが可能になった。そして、分娩前1時間のFHR時系列データを10分ごとにガイドラインに沿って分類された1909症例を対象として、パネルデータ分析で利用される対応分析などの手法による解析を試みた。一方、CTG時系列データからこのようなパネルデータを作成することを目的として、FirefoxなどのWebBrowserを利用することでハードウェア依存性をなくし、CTG波形をインターネット等を介して表示させ、FHRのパターン分類とレベル分類を記録するソフトウェアの開発は十分に実用的なレベルにまで到達できなかった。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 7件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)
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