研究課題/領域番号 |
24591611
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
東海林 宏道 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30365621)
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研究分担者 |
清水 俊明 順天堂大学, 医学部, 教授 (30260889)
奥村 彰久 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60303624)
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キーワード | 子宮内発育不全 / IGF-I / 早産児 |
研究概要 |
動物実験 方法:妊娠19日目のSDラットを吸入麻酔下に両側子宮動静脈を結紮し、子宮内胎児発育不全(intrauterine growt restriction:IUGR)モデルラットを作成した。その後経膣分娩で出生したIUGRラットを2群に分類。Group 1(IUGR-IGF-I群):IUGRラットに生後7日から11日にrecombinant human (rh) IGF-I (2mg/kg) を投与(n=15)。Group 2(IUGR-PSS): IUGRラットに同期間生理食塩水(0.1ml) を投与(n=15)。また、Group 3(control)として母獣に偽手術を施行したラットに同期間生食(0.1ml) を投与した(n=15)。生後25日に全例解剖を行った。生後3日及び解剖時に体重測定を行った。血清、肝臓、左腎臓、脳を摘出後、血中及び各臓器のIGF-1関連物質の発現をreal time PCRで測定した。 結果:生後3日の平均体重はGroup1 とGroup 2 はGroup 3と比較し有意に低値であった。 (p < 0.01).。一方で、薬剤(IGF-Iもしくは生理食塩水)投与後の生後25日における体重は、Group1 とGroup 2の平均値がGroup 3と比較し有意に低値あり(p < 0.01)、Group1 とGroup 2との間には有意差を認めなかった。肝臓におけるIGF-1、IGF-1受容体、IGFBP5の発現は3群間で有意差を認めなかったが、Group1のIGFBP3の発現はGroup2、Group3に比べて有意に高値であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物実験系(子宮内発育不全モデルラット)の確立や臓器摘出の手技、各臓器のIGF-I関連物質の発現についての測定法(PCR、Westernblot、免疫染色)の手技獲得に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
生後25日に安楽死させたラットの大脳、膵臓や肝臓を採取して染色標本を作成する。H & E染色、免疫染色を行い、IGF-1関連物質の発現、動脈硬化、膵島の変化、脂肪肝の評価を行う。またPCRやWestern-blot法により、各群による各臓器におけるIGF-1、IGFBP3等の発現について比較検討し、IUGRラットに対するrtIGF-1の効果を評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
動物実験モデル作成に時間を費やし、ELISAキットによる血中IGF-1関連物質の測定、臓器中のPCRによるIGF-1関連物質の測定、組織免疫染色等の実験開始が遅れ、測定に必要な物品の購入が当初の予定より少なかったため。 現在は実験モデル作成が実行できており、次年度にELISAキットによる血中IGF-1関連物質の測定、臓器中のPCRによるIGF-1関連物質の測定、組織免疫染色等の実験を追加で行う予定。
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