研究課題/領域番号 |
24591611
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
東海林 宏道 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30365621)
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研究分担者 |
清水 俊明 順天堂大学, 医学部, 教授 (30260889)
奥村 彰久 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60303624)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 子宮内発育不全 / IGF-I |
研究実績の概要 |
子宮内発育不全児に対するrhIGF-I補充療法の可能性について動物実験モデルを用いて検討した。 方法:妊娠19日目のSDラットに対し両側子宮動静脈を結紮するIUGRモデルを使用した。その後自然分娩で出産させ、以下の3群に分類した。IUGR/IGF群:IUGRラットに生後7日から13日にrhIGF-I (2mg/kg) を投与。IUGR/PSS群:IUGRラットに生後7日から13日に生食(0.1ml) を投与。Control群:母体に偽手術を施行したラットに生後7日から13日に生食(0.1ml)を投与。生後3日及び生後25日に体重測定を行い、生後25日に血清中のIGF-I、IGFBP3、IFFBP5をELISAで測定し、また肝臓におけるIGF-I、IGF-IR、IGFBP3、IGFBP5の発現をrtPCR及び免疫染色で検討した。 結果:生後3日及び生後25日の体重は、IUGR/IGF群とIUGR/PSS群でcontrol群に比し有意に低値であったが、IUGR/IGF群とIUGR/PSS群との間に有意差は認めなかった。血清IGF-I値及び肝臓IGF-IR mRNA発現はIUGR/IGF群とIUGR/PSS群でcontrol群に比して有意に低値であったが、IUGR/IGF群とIUGR/PSS群との間に有意差は認めなかった。肝臓IGF-I及びIGFBP5 mRNA発現は3群間で有意差を認めなかった。一方で肝臓IGFBP3 mRNA発現はIUGR/IGF群でIUGR/PSS群、control群に比し有意に増加していた。 結論:IUGRラットでは生後25日においても体重がcatch-upしておらず、血清IGF-I及び肝臓のIGF-IR発現低下が一因と考えられた。2mg/kgのrhIGF-I投与では体重のcatch-up効果は認めなかったが、rhIGF-I投与により肝臓IGFBP3発現の増加が証明された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
得られた結果(rhIGF-I投与により肝臓IGFBP3発現の増加)を考察するために追加実験が必要。
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今後の研究の推進方策 |
組織免疫染色方法や、その定量的評価方法について再検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験モデル作成に時間を費やし、臓器中のPCRによるIGF-1関連物質の測定、組織免疫染色等の実験開始が遅れ、測定に必要な物品の購入が予定より少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
組織免疫染色方法の再評価、免疫染色結果の定量的評価方法を追加実験で検討する予定。
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