高濃度酸素投与による発達期肺胞微小循環障害の解明のため、電子顕微鏡を用いた超微形態解析を行った。その結果、高濃度酸素肺障害モデルでは血管内皮細胞(EC)層を中心に血液空気関門(BAB)が著明に肥厚していた。またEC細胞質成分の不均一な肥厚により毛細血管腔は虚脱していた。回復群では、BABの肥厚は改善したが、EC形態は依然不均一であり毛細血管腔は虚脱していた。BABの肥厚は、低酸素血症および高炭酸ガス血症を引き起こし、肺血管の異常収縮を来す可能性がある。また毛細血管の虚脱は、本来抵抗血管ではない肺胞微小血管レベルで循環障害を来す可能性があり、これら変化は、二次性肺高血圧発症の一要因と推察される。
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