表皮基底細胞が遊走する際、接合タンパクである17型コラーゲン(COL17)と細胞外マトリクス間の接着は解除される必要があるが、表皮基底細胞の遊走におけるCOL17の生理機能や制御機構の詳細は未だ不明である。本研究では、表皮基底細胞におけるCOL17の発現は遊走を抑制的に働き、創傷治癒部など表皮基底細胞が積極的に遊走しなくてはいけない状況ではCOL17の発現が抑制されることが明らかになった。またラミニン332が細胞外マトリクス中で発現亢進すると表皮基底細胞の遊走が低下する結果から、表皮細胞の遊走にはCOL17と相互作用する細胞外タンパクの機能も重要であることが示唆された。
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