メラノーマ細胞を皮下注射すると、リンパ浮腫のあるマウスで腫瘍形成が有意に促進していた。リンパ節への腫瘍の流入が低下しており、サイトカイン産生も野生型マウスと比べて低下していた。メラノーマで免疫したマウスのリンパ節から単離したCD8陽性細胞は、in vitroでもin vivoでも、リンパ流に障害があるマウス由来のほうが抗腫瘍免疫効果が低かった。このように腫瘍細胞のリンパ節への流入は効果的な腫瘍免疫の成立に重要であることが分かった。またリンパ流に障害があるマウスでは、血管炎の初期段階では症状が軽くなっており、その原因として肥満細胞や組織球の細胞表面のFcγ受容体IIIの発現の低下が考えられた。
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