研究課題/領域番号 |
24591625
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
藤原 雅雄 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (40456554)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | センチメルリンパ節 / リンパシンチグラフィー / 皮膚悪性腫瘍 / 画像診断 / 転移 / PET / CT / ガンマプローブ |
研究概要 |
悪性黒色腫をはじめとして、転移性皮膚悪性腫瘍である、有棘細胞癌、エクリン汗孔癌、アポクリン腺癌、メルケル細胞癌、パジェット病に対して、センチネルリンパ節検索を行った。 術前評価として、全例に、(造影)CT検査、FDG-PET、フチン酸テクネシウムを用いたリンパシンチグラフィーを施行した。症例によっては、(造影)MRI検査および超音波検査を追加した。手術中は、ガンマプローブおよびインドシアニングリーン蛍光色素法によるセンチネルリンパ節同定を行った。術前の画像評価と術中所見を比較して、術前の画像評価法によるセンチネルリンパ節の同定率の差についても検討している。 術後、リンパ節の病理組織学的所見が明らかになった時点で、腫瘍(原発巣)の組織学的所見(腫瘍の厚さ・分化度・細胞分裂の頻度・脈管浸潤の有無)と、センチネルリンパ節への転移の有無や術前の組織学的所見との関係について検討している。今後、さらに症例を蓄積していく。 加えて、皮膚悪性腫瘍が転移するリンパ節として知られていなかった骨盤部の新たなリンパ節の知見が得られた。学会発表を行い、現在、論文として投稿中である。今後とも、このような新たなリンパ節に関する知見が得られることが予想される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
腫瘍(原発巣)の状態、すなわち、腫瘍の組織学的所見(腫瘍の厚さ・分化度・細胞分裂の頻度・脈管浸潤の有無)と、センチネルリンパ節への転移の有無に密接な関係がみられている。 また、現在まで、皮膚悪性腫瘍が転移することが報告されていなかった新たなリンパ節の所在を明らかにできた。 加えて、腫瘍(原発巣)からセンチネルリンパ節へ到達するリンパ流に着目して、その速度がもつ臨床的意義を見い出せる可能性が出てきた。
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今後の研究の推進方策 |
症例を蓄積する。その中で、腫瘍の状態(腫瘍の組織型・腫瘍の厚さ・分化度・細胞分裂の頻度・脈管浸潤の有無)別にデータを分類してまとめていく。 各検査(CT検査、FDG-PET、リンパシンチグラフィー、MRI検査、超音波検査)によるセンチネルリンパ節検出率を解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
悪性黒色腫以外の転移性皮膚悪性腫瘍のリンパシンチグラフィーは保健医療の適応外であるので、その検査費用に用いる。 論文作成費、学会発表に伴う旅費、研究成果広報用パンフレット作成費用、解析ソフトの費用等に使用予定である。
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