研究課題/領域番号 |
24591627
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中村 好貴 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (00448292)
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研究分担者 |
武藤 正彦 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40175625)
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キーワード | malignant melanoma / heat shock factor 1 / migration / invasion / metastasis |
研究概要 |
熱ショック因子(heat shock factor 1:HSF1)がメラノーマ細胞の遊走能、浸潤能に影響をあたえるか検討するために、メラノーマ細胞株であるHMV-Iにshort hairpin RNA (shRNA)発現アデノウイルスを感染させ、HSF1をノックダウンした。HSF1をノックダウン後に、wound healing assay、migration assay、invasion assay(BD Mtrigel Invasion Chamber)を行った。HSF1をノックダウンしたHMV-Iでは優位に遊走能、浸潤能が低下することが明らかとなった。他のメラノーマ細胞株であるMeWo、HMV-IIにおいても、同様の結果を確認した。 HMV-Iにおいて、HSF1をノックダウンした後にHSF1を再発現させ、wound healing assay、migration assay、invasion assayを行った。HSF1を再発現させたHMV-Iでは、HSF1をノックダウンしたものと比べ、遊走能、浸潤能ともに回復することを明らかとした。 次に、HSF1をノックダウンしたHMV-Iをヌードマウスの皮下に移植し、28日後に安楽死させ、解剖を行い腫瘍の増殖能、浸潤能、転移能を検討した。コントロールと比較して、HSF1をノックダウンしたヌードマウスでは増殖能、浸潤能、転移能ともに優位に低下することを確認した。 これらの結果から、メラノーマ細胞の遊走能、浸潤能はHSF1に大きく依存していることが明ら」かとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに、HSF1がメラノーマの遊走能、浸潤能に非常に重要な役割を演じていることをin vitro, in vivoの実験で確認することができた。HSF1のターゲット遺伝子の同定、メラノーマ組織におけるHSF1の発現量についての検討は同時に進行し、解析を行っており、順調に結果を出すことができている。実験の進行は研究計画に沿って、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
HSF1がメラノーマの遊走能、浸潤能に非常に重要な役割を演じていることをin vitro, in vivoの実験で確認し、これらの結果について論文を作成中である。26年度は、HSF1のターゲット遺伝子の同定、メラノーマ組織におけるHSF1の発現量についての検討を進めていく予定である。
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