沖縄県に多発する血管肉腫の発症に関わる遺伝子断片を探索した。動物感染性のヘルペスウイルス群に共通する遺伝子配列を選択し、PCR増幅を多様なアニール温度で試みたが、既知や新規のヘルペスウイルスは全く増幅されなかった。サブトラクションスクリーニングからも、未知の外来遺伝子の発現は確認されなかった。患者腫瘍組織よりトランスクリプトーム解析により、ヒトゲノムに合致しない転写産物を解析したが、毛包虫、表皮常在菌、カンジダ菌などの病態に関与がないと思われる微生物の遺伝子配列のみが観察された。 結果的に患者腫瘍組織より、血管肉腫の発症原因となるウイルスなどの外来生成物の存在の有無を決定するには至らなかった。
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