ヒトT細胞株として、菌状息肉症由来のMJ、Myla、セザリー症候群由来のSeAx、HH、HUT78を使用。それぞれのCTCL株のRARβ2の発現をmRNAレベル、タンパクレベルで確認をした。 CTCL株のRARβ2発現が弱い場合を考慮して、RARβ2のプロモーター領域にTATAboxを含むluciferase遺伝子発現ベクターを作製し、その発現ベクターをCTCL株にtransfectionすることにより、生体マウス内でRARβ2の再発現や抗腫瘍効果を経時的に観察できるようにした。 HDACiとしてMS-275(entinostat)、ボリノスタットを使用し、レチノイド関連としてAm80(tamibarotene)、ベキサロテンを使用する。次に、以下のin vitroの実験を行った。①コロニー形成アッセイ:6ウェルプレートに200-400個のTリンパ腫細胞を撒き、各薬剤を3日間投与した後、培養液から薬剤を除き1~2週間後に形成されたコロニー数を数える。②XTTアッセイキットを用い、増殖抑制効果を検討する。③AnnexinV抗体を用いてFACSでアポトーシス誘導効果について検討する。④細胞周期解析キットを用いてFACSで細胞周期停止効果について検討する。 In vitroアッセイにて相乗効果が認められた薬剤の組み合わせで処理したCTCL細胞株をホモジネートし、磁気ビーズと結合させた抗アセチル化ヒストン3と4抗体とそれぞれ反応させ、chromatin immunoprecipitation(ChIP)を行う。磁気ビーズ回収後にRARβ2のreal time PCRを行い、処理前の値と比較することによりヒストンのアセチル化を証明。
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