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2013 年度 実施状況報告書

サイトカインを標的とする強皮症の治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 24591644
研究機関福井大学

研究代表者

長谷川 稔  福井大学, 医学部, 教授 (50283130)

キーワード強皮症 / 線維化 / IL-17 / Th17
研究概要

ブレオマイシンを連日皮内注射して皮膚硬化を誘導する強皮症マウスモデルにおいて、Th1、Th2、Th17のそれぞれ代表的なサイトカインであるIFN-gamma、IL-4、IL-17Aの皮膚線維化への役割を明らかにする。このために、3つのそれぞれのサイトカインの欠損マウスにおいてブレオマイシン誘導性強皮症モデルを作成し、野生型との比較を行った。IL-17Aの欠損マウスでは皮膚硬化が有意に軽快した。一方で、IFN-gammaやIL-4の欠損マウスでは、野生型と差がみられなかった。次に、IL-17Aがブレオマイシン誘導性の皮膚の線維化にどのように作用しているか、その機序に関して検討した。ブレオマイシンの注射は、皮膚におけるIL-17AのmRNAの発現やタンパク量を増加させた。また、ブレオマイシンの注射は、脾臓におけるTh17細胞の増加、IL-17Aの産生を誘導することが明らかとなった。また、IL-17A欠損マウスの皮膚では、ブレオマイシンの注射により誘導されるTGF-betaやCTGFなどの線維化に重要な成長因子の産生が有意に低下していた。これらの結果から、ブレオマイシン誘導性強皮症モデルにおいて、IL-17AがTGF-betaやCTGFなどと協調的に線維化に関与しているものと考えられた。この結果は、皮膚の線維化においてIL-17Aの役割を示す斬新な知見と考えられ、今後の強皮症の病態解明と治療の開発に役立つものと思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定どおり、順調に研究成果が得られている。

今後の研究の推進方策

今のところ研究は順調に進んでおり、最初の計画どおりに進めて行く。

次年度の研究費の使用計画

今年度は、前年度までに購入した試薬などを使うことが多く、使用額を少なく抑えることができた。
これまで貯蓄のあった試薬もなくなってきており、また最終年度には高い試薬を使用する実験も控えているため、最終的には全額を使いきることになるものと思われる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Serum adhesion molecule levels as prognostic markers in patients with early systemic sclerosis: a multicentre, prospective, observational study.2014

    • 著者名/発表者名
      Minoru Hasegawa, Yoshihide Asano, Hirahito Endo, Manabu Fujimoto, Daisuke Goto, Hironobu Ihn, Katsumi Inoue, Osamu Ishikawa, Yasushi Kawaguchi. Masataka Kuwana, Fumihide Ogawa, Hiroki Takahashi, Sumiaki Tanaka, Shinichi Sato, Kazuhiko Takehara
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 9 ページ: e88150

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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