研究課題/領域番号 |
24591647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
水谷 仁 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30115737)
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研究分担者 |
山中 恵一 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70314135)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / スギ花粉症 / Th2サイトカイン / アレルギー |
研究概要 |
アトピー性皮膚炎とともに、スギ花粉症は日本における重要なアレルギー疾患である。アトピー性皮膚炎患者を中心として、スギ花粉症の発症時期に合わせて眼瞼周囲を中心に掻痒の強い皮膚炎が発症することが知られている。これがいわゆるスギ花粉皮膚炎(CPD)であり、アトピー性皮膚炎との関連性を含めて重要なアレルギー性疾患と考えられている。しかし、CPDは日本固有の疾患であり時期も限られるところから、その病態や治療に関する知見は限られている。本研究ではその発症機序ならびに病態解明を目的とする。その遂行には動物モデルの作成が不可欠である。本年度の課題として、スギ花粉抗原を用いた接触過敏誘導によるCPDマウスモデルの作成を試みた。スギ花粉抗原は動物に対しては感作性が強くないと推測されている。そのため被検動物としてBALB/cマウスを用い、日本スギ花粉抗原をアジュバントと共に非経皮的投与するほか、経皮的な投与の繰り返しによる感作を行った。その後、スギ抗原による誘発の後、検索を行った。皮膚の病理組織学的検索と共に、皮膚および全身免疫系への影響について、サイトカイン遺伝子発現および、リンパ系細胞のFACSによる解析を行った。その結果、スギ花粉のマウスへの感作性は強いものではなく、感作のための工夫が必要であることが明らかとなったが、感作方法を工夫することにより、皮膚並びにリンパ系にTh2型にシフトしたサイトカインプロフィルを持つマウスを作成できることが明らかにできた。今後、より効率的にCPDマウスモデルを作成する方法を確立すると共に、その詳細な病態解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の基本となるスギ花粉抗原による皮膚炎マウスモデルの作成であるが、スギ花粉抗原はマウスに対しては感作性が強くないと推測されている。本年度被検動物としてBALB/cマウスを用い、感作方法に工夫を行い日本スギ花粉抗原をアジュバントと共に非経皮的投与するほか、経皮的な投与の繰り返しによる感作を行うことにより、感作マウスを作成することが可能であることを明らかに出来た。
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今後の研究の推進方策 |
24年度の研究により、スギ花粉のマウスへの感作性は強いものではないが、感作方法を工夫することにより、皮膚並びにリンパ系にTh2型にシフトしたサイトカインプロフィルを持つマウスを作成できることが明らかにできた。25年度は、より効率的にCPDマウスモデルを作成する方法を確立すると共に、その詳細な免疫学的な病態解析を進める予定である。また、ヒトにおけるスギ花粉症およびスギ花粉皮膚炎患者の免疫学的解析を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
マウスモデル確立のために、動物購入、飼育並びに免疫学的な解析用の試薬の購入に使用予定である。マウス並びにヒトにおける免疫学的解析には、24年度購入したリアルタイムPCR機器等を活用するとともに、FACSによる解析のための試薬等に使用する予定である。
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