研究課題
スギ花粉鼻炎(CP)は罹患率30%、アトピー性皮膚炎(AD)は10%を超える日本における重要なアレルギー疾患であり、スギ花粉鼻炎時期に眼瞼周囲を中心に掻痒の強い皮膚炎がスギ花粉皮膚炎(CPD)でAD,CPと関連する重要なアレルギー性疾患である。しかし、CPDは日本固有の季節疾患のため知見が乏しく、CPDの病態解析と治療開発のためCPDモデルマウスの作成を行った。日本スギ花粉(JCP)抗原の非経皮感作と経皮感作を併用しモデルを作成したところ一部のマウスで感作が成立し、皮膚のサイトカインレベルの測定、感作動物のリンパ系細胞・脾臓細胞のサイトカインレベルのFACS解析を行った。 感作されたマウスではコントロールに比して、皮膚のmRNAの解析ではTh2サイトカインであるIL-4の上昇のみならず、Th1サイトカインであるIFN-γの上昇も伴っていた。しかし、全身的な免疫状態を反映する所属リンパ節や脾臓などの免疫細胞の検索を行ったが炎症性サイトカイン産生能やTreg比率も有意な変化は検出できず、またマウスへの感作の頻度が低くモデルとしての実用性が問題となった。そこでヒトCPDを模倣し、頻回の経鼻的感作による花粉症モデルを成立させ、引き続き経皮感作を行うCPDモデルの樹立を目指した。その結果、長期の経鼻感作によりTh2型花粉症マウスの作成に成功した。現在その解析を進めると共に、経皮感作によるCPDモデルマウスの樹立を進めている。また、未発症の日本スギ特異的IgE抗体を持つ成人に対し、スギ花粉抗原の舌下免疫療法(SLIT)の施行、非施行の2群化し、CPの発症とT, B, 単球のIL-10産生能を比較検討したところ、SLIT群でIL-10産生B細胞とT細胞(Tr1)の有意な増加を認めた。
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