アトピー性皮膚炎病態制御因子として、脂質メディエーターの一種であるレゾルビンE1(RvE1)を同定した。RvE1は皮膚樹状細胞の動態を抑制した。その結果リンパ節でのT細胞への抗原提示や皮膚でのT細胞への抗原提示能が低下し、T細胞活性が障害され、皮膚炎の抑制効果がみられた。RvE1は樹状細胞上のロイコトリエン受容体シグナルを阻害することでCdc42, Rac1の活性を障害し、その結果アクチン形成を阻害することでその動態を制御していた。以上より、RvE1はアトピー性皮膚炎を含む皮膚アレルギー性疾患に対し、新規治療薬となる可能性が示唆された。
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