アトピー性皮膚炎を代表疾患とする湿疹・皮膚炎の薬物療法の中心は、長年ステロイド・免疫抑制剤外用療法のみである。本研究では抗酸化物質であるチオレドキシンに着目し、ヒトリコンビナントTRX(hrTRX)の外用塗布が角化細胞からの前炎症性サイトカインの産生抑制を介してマウス一次刺激性皮膚炎を抑制することを証明した。hrTRX含有外用剤を作成し健常人においてアレルギー・刺激反応がないことを確認し、hrTRX含有外用剤のアトピー性皮膚炎患者20名に対するダブルブラインド・プラセボコントロール・ランダマイズド試験を行った。副作用や有害事象は生じず、当該データはブラインドをオープンにして現在解析中である。
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