研究課題
1.EBV感染リンパ球解析:50例超の症例が集積された。種痘様水疱症(HV)患者のうち、古典的HVではEBV感染γδT細胞数が増加し、全身性HVではαβT細胞増殖を認める症例が多かった。蚊刺過敏症(HMB)はEBV感染NK細胞増多症を伴う。EBV感染リンパ球サブタイプと病型は関連する。2.EBV感染細胞とクローン解析:患者末梢血にはさまざまなEBV感染リンパ球サブセットが存在する。EBV遺伝子(EBV-TR領域)解析結果ではクローン性増殖が証明されるが、TCR遺伝子再構成ではクローンを認めない症例がある。すなわち、EBV感染は造血幹細胞に生じ、その後に分化する可能性を示唆した。IL2、IL18とビスホスフォネートを用いる培養系でγδT細胞を増殖させ細胞保存を始め、光線照射マウスモデル実験の準備中。3.EBVのCD34陽性細胞への感染実験:末梢血にCD34を誘導する段階で困難があり、感染実験は中断し、CD34+EBV+細胞を解析する方法に変更した。4.EBV遺伝子発現とvirion由来DNAの解析:我々が特許をもつ検査法を用いて、国内外の検体の診断的検査を実施した。同時に、EBV遺伝子発現を網羅的に解析し、データを集積した。末梢血と皮膚病変ではEBV感染様式が異なり、重症型の皮膚病変部では再活性化マーカーBZLF1を発現していた。一方、軽症の古典的HV病変部では再活性化マーカーは認められなかった。HVやHMBでは、EBV感染細胞の再活性化により完全なvirion を形成する前に、宿主免疫応答によって排除・破壊されるものと考えられた(論文準備中)。5.臨床病型と予後因子解析:予後因子として、病型、発症年齢、再活性化マーカーが重要であることを論文報告した(Miyake T et al. 2015)高齢発症のHV類似の一群が存在することを細胞学的検査およびEBV遺伝子発現データとともに論文報告した(Nomura et al, BJD 印刷中)。
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British Journal of Dermatology
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