研究課題/領域番号 |
24591662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
宮川 史 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00346024)
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研究分担者 |
浅田 秀夫 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60252681)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交換 / アメリカ合衆国 / CD8 T細胞 / エフェクター機能 |
研究概要 |
我々はCD8 T細胞を用いたin vitroの実験系を用いて、免疫反応と免疫寛容を引き起こす条件下で培養した際に発現している遺伝子をmicroarrayで比較し、Interferon regulatory factor (IRF) 8を同定した。本研究はIRF8のCD8 T 細胞の増殖、分化に果たす役割をin vivoとin vitroの実験系で解明することを目的とした。in vivoの実験系としてCD8 T 細胞依存性のGVHDモデルマウス(K14-mOVATgマウス)を用いた。我々はOT-I/IRF8ノックアウト(KO)マウスを作製し、OT-I/IRF8KO細胞をK14-mOVATgマウスに移入したところ、OT-I細胞を移入した場合と比べ、GVHD反応が減弱することを見出した。移入した細胞を生体内より分離し、そのエフェクター機能をしらべたところ、IFN-γ産生、killing活性ともにOT-I細胞と比較して低下していることが分かった。すなわちIRF8はCD8 T細胞のエフェクター分化に関与していることがin vivoの系で示された。次にIRF8がCD8 T細胞の分化のどの段階に働いているかを種々のinhibitorを用いてin vitroの系でしらべた。T細胞の活性化、分化には抗原刺激/副刺激だけでなくサイトカインも重要であるが、IRF8の発現はZap70 inhibitor、Jak3 inhibitor存在下でともに抑制されたことより、IRF8がこれらの刺激を統合する可能性が示された。またIRF8は、CD8 T細胞のエフェクター分化のmaster regulatorである転写因子T-bet、Eomesとは独立して働いている可能性も示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年に行った予備実験で主要なデータが出ていたこともあり、平成24年度は一部のデータの再現実験を主に行った。このため現在のところ当初の研究目的に沿って概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の方向としては、(1)IRF8のCD8 T細胞の増殖、分化における役割の解明と(2)IRF8の他の疾患での動向、治療への応用の2本立てで行う。(1)は平成24年度の計画に挙げた項目で、現在いくつかの成果が出てきており、平成25年度はこれをさらに掘り下げて、IRF8と他のIRF family転写因子がどう協調してCD8 T細胞の増殖、分化に働いているかを検討する予定である。(2)は平成25年度に実施する予定にしていた計画で、T細胞が活性化していると期待される自己免疫疾患、薬疹、GVHDなどの炎症性疾患や、T細胞のtransformationを来すT cell leukemia/lymphomaなどで、IRF8の発現と病勢との間に相関 が見られるか、治療により病気が寛解した場合にIRF8の発現レベルが低下するか、予後の判定に使えるかなどを、臨床検体を用いて検討していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし。
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