研究課題
K14-mOVATgマウス(皮膚GVHDモデルマウス)にOVA抗原を認識するCD8+OT-I細胞を移入すると、GVHDに類似した皮膚炎を誘発できる。我々はこのマウスを用いて、IRF8がCD8 T細胞のエフェクター機能に関与していることを報告した。今年度はK14-mOVATgマウスにおいて、IRF8とともにあるいは独立してCD8 T細胞のエフェクター機能に関与しているIRF転写因子があるかどうかをしらべることを目的とした。まずOT-I細胞を用いたin vitroの実験系で、CD8 T細胞の活性化に伴うIRF family転写因子の発現を検討したところ、IRF4がIRF8と同様にCD8 T細胞の活性化とともに発現が見られた。OT-I細胞を抗CD3抗体+抗CD28抗体で刺激し、6時間後と24時間後にreal-time PCRを行ったところ、IRF4とIRF8の発現は並行して6時間後に上昇し、24時間後には低下した。IRF4はIRF8とともにCD8 T細胞のエフェクター機能に関与している可能性が考えられた。IRF8の発現はin vitroにおいてZap70 inhibitor、Jak3 inhibitor存在下でともに抑制されることより、我々はすでにIRF8が抗原刺激/副刺激とサイトカイン刺激を統合する可能性を報告した。しかしIRF4の発現を経時的に検討したところ、Zap70 inhibitor、Jak3 inhibitor存在下でIRF4の発現は抑制されなかったことより、IRF4はIRF8とは独立して機能している可能性が考えられた。現在OT-I/IRF8KOマウス、OT-I/IRF4KOマウス、OT-I/IRF4IRF8doubleKOマウスを作成し、K14-mOVATgマウスに移入しin vivoでの役割を検討している。
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Eur J Dermatol
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