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2014 年度 実績報告書

アレルギー炎症性疾患の病態形成に寄与するマスト細胞機能とNotchシグナルの役割

研究課題

研究課題/領域番号 24591667
研究機関順天堂大学

研究代表者

中野 信浩  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30420839)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードアレルギー / マスト細胞 / Notch
研究実績の概要

平成26年度は、平成25年度に雑誌へ投稿した論文のリバイス実験を行い、本論文はJournal of Immunology誌に受理された。本論文において、マウスマスト細胞表面に発現する受容体Notch1及びNotch2を介したシグナルがIl4遺伝子のCNS2エンハンサー領域に作用し、IgE受容体FcεRIの架橋刺激によって誘導されるIL-4産生を顕著に増強させることを明らかにした。また、Notch2を介したシグナルはFcεRIシグナルの負の制御因子SHIP-1の発現量を低下させ、FcεRIの架橋刺激を細胞内に伝えるMAPキナーゼの活性化を増強することでTh2サイトカイン産生を全体的に底上げすることも明らかにした。本研究により、アレルギー反応時のマスト細胞によるTh2サイトカイン産生にNotchシグナルが関与していること、及びその分子機構が明らかとなった。
また、Notchシグナルが粘膜型マスト細胞の発生にも関与していることを見出したことから、Notchシグナルの阻害がアレルギー疾患の病態に与える影響について解析を行った。卵白アルブミン (OVA) に対する食物アレルギーマウスモデルを作製し、Notchシグナル阻害剤DAPT投与の効果を検討した結果、アレルギー反応に伴って誘発される下痢及び腸管粘膜へのマスト細胞の集積がDAPT投与により有意に抑制されることを明らかにした。
これらの研究成果から、マスト細胞におけるNotchシグナルがアレルギー疾患治療のターゲットになりうることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Notch Signaling Enhances FcεRI-Mediated Cytokine Production by Mast Cells through Direct and Indirect Mechanisms.2015

    • 著者名/発表者名
      Nakano N, Nishiyama C, Yagita H, Hara M, Motomura Y, Kubo M, Okumura K, Ogawa H
    • 雑誌名

      J Immunol

      巻: 194 ページ: 4535-4544

    • DOI

      10.4049/jimmunol.1301850.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] TGF-βによるマスト細胞機能の抑制を仲介する転写因子Ehfの機能解析2015

    • 著者名/発表者名
      中野信浩、山﨑晋、西山千春、大塚宜一、清水俊明、奥村康、小川秀興
    • 学会等名
      日本農芸化学会 2015年度大会
    • 発表場所
      岡山大学津島キャンパス(岡山県・岡山市)
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-29
  • [学会発表] Maturation of mucosal mast cells is promoted by Notch signaling2014

    • 著者名/発表者名
      Nobuhiro Nakano, Chiharu Nishiyama, Ko Okumura, Shigaku Ikeda, Hideoki Ogawa
    • 学会等名
      日本研究皮膚科学会 第39回年次学術大会・総会
    • 発表場所
      ホテル阪急エキスポパーク(大阪府・吹田市)
    • 年月日
      2014-12-12 – 2014-12-14
  • [備考] 順天堂大学アトピー疾患研究センターホームページ

    • URL

      http://www.juntendo.ac.jp/graduate/laboratory/labo/atopy_center/

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公開日: 2016-06-01  

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