研究課題/領域番号 |
24591671
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
松永 佳世子 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80131192)
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研究分担者 |
佐野 晶代 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (20625983)
中村 政志 藤田保健衛生大学, 医学部, 研究生 (30449467)
矢上 晶子 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (90367699)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 加水分解コムギ / グルパール19S / 即時型コムギアレルギー / 特異IgE抗体 / 検査法 / 抗原解析 / 交叉反応性 / 予後因子の探索 |
研究実績の概要 |
1)当該疾患の検査法として、“ELISA法によるグルパール19S特異IgE抗体検査”を確立した。本検査法については、国際誌(Allergology International)に掲載され、Editorialに取り上げられた。この検査法を用い、2015/3/27 現在、当施設内で505検体(同一患者の経過観察分含む)を検査し、もっとも感度が高いとされるプリックテストとの相関性が高く、得られる定量値が潜在的な重症度を予測する指標となりえることが確認され、非常に有用な検査法になり得たことを確認した。当該疾患は、石鹸の使用中止によって経時的に症状が軽快化することが分かってきているが、本検査法においても特異IgE抗体の経時的な減少が確認できており、症状の軽快化が特異IgE抗体の減少に起因したものであることも証明できたと考える。 2)当該患者の血清中IgE抗体は、化粧品原料として使用されている、グルパール19S以外の加水分解コムギにも反応することが分かった。さらに、同じ加水分解コムギを用いてプリックテストを行った結果、患者血清中IgE抗体が結合した加水分解コムギに対しては、強い皮膚反応が見られたことから、交叉反応性についてもIn vitroでの予測が可能であることが確認できた。 3)Western Blot等の免疫学的手法により、当該患者の血清中IgE抗体が、小麦グルテン中のγ‐グリアジンなどと反応すること、また、グルパール19Sの抗原性は製造工程の酸化熱処理の段階で生じたことが確認された。よって、グルテンを酸加熱処理にしたことで生じたタンパク質抗原に対するIgE抗体が、天然のコムギタンパク質とも交叉反応したことが発症機序と考えられた。多数の加水分解コムギが現在も化粧品原料として使用されており、そのリスクを広く広報するため、抗原解析について、国際学会(ESCD、AAAAI)にて発表した。
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