認知症診断の上で客観的に補助的役割を担う血漿マーカーを検討した。本研究で214名の認知症患者(AD150名、DLB50名、MCI14名)、高齢者鬱病患者(6名)、健常高齢者(387名)から血液検体を得た。候補マーカーアネキシンA5の血漿中濃度はAD、DLB患者で健常高齢者と比較して有意に高かった。もう一つの候補マーカーMFG-E8もADで高くなることが示唆された。更に、認知症のない鬱の高齢者においてアネキシンA5濃度は、健常高齢者と変わらなかった。一方、MCI患者14名のアネキシンA5濃度は、健常高齢者と比較して有意に高く早期診断に有用となる可能性があり、血漿マーカーとしての有効性が示された。
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