研究課題/領域番号 |
24591688
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
藤井 久彌子 獨協医科大学, 医学部, 講師 (70314151)
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研究分担者 |
尾關 祐二 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (90303768)
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キーワード | 統合失調症 / QT間隔 |
研究概要 |
統合失調症患者の末梢血採取、臨床症状評価、QT間隔を含む臨床データの収集をおこなっている。統合失調症患者には、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、統合失調症認知機能簡易評価尺度(BACS)などをおこなっている。末梢血でneruregulin1(NRG1)の血中濃度を、NRG1酵素結合免疫吸着測定キットを用いて測定し、また、末梢血からmRNAを抽出して、定量的PCRをおこない、NRG1以外にも、A kinase (PRKA) anchor protein (yotiao)、KCNH2の発現量を確認している。それらの値と、患者の臨床症状評価との関連の検討をおこなっている。同様に、健常被験者からも、末梢血採取をおこない、統合失調症患者群との比較をおこなっている。 QT間隔については、抗精神病薬を服用している統合失調症患者、未服用統合失調症患者および健常被験者で比較を行い、抗精神病薬を服用している統合失調症患者>未服用統合失調症>健常被験者の順に、QT間隔が有意に長いという結果を得たため、平成25年4月21日から25日に、米国オーランドで開催されたInternational Congress on Schizophrenia Researchで、成果発表を行った。また、平成26年5月「QT is Longer in Drug-Free Patients with Schizophrenia Compared with Age-Matched Healthy Subjects」が、学術雑誌PLOS ONEに掲載予定(決定)となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
neruregulin1(NRG1)の血中濃度は測定継続中であり、末梢血のmRNA測定に関しては、NRG1、A kinase (PRKA) anchor protein (yotiao)、KCNH2の測定継続中であるが、定量的なタンパク量測定に関しては未実施である。成果の結果を検討する中で、新しい知見を上記のように発表が行えているため、研究の進み具合によっては、行う予定の研究が前後しながらも、研究目的のために、研究実施を継続していく予定。統合失調症患者、健常被験者などの検体の収集は継続しておこなっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も統合失調症患者、健常対象者などの検体の収集は継続しておこなっていく。また、統合失調症患者に関しては、臨床症状評価、QT間隔を含む臨床データの収集をおこなっていく。neruregulin1(NRG1)の血中濃度、NRG1、A kinase (PRKA) anchor protein (yotiao)、KCNH2定量的PCRの結果を踏まえて、タンパク量測定や培養細胞などを用いた タンパク機能解析へと発展させる方向を考えている。最終的には、統合失調症とQT間隔との生物学現象としての関連の有無を検討したいと考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
必要物品費が残額を越えてしまったため、次年度への繰り越しとなり、次年度購入予定となった。 実験に用いる物品費として使用する予定。
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