研究課題
統合失調症のQT間隔については、抗精神病薬を服用している統合失調症患者、未服用統合失調症患者および健常被験者で比較を行い、抗精神病薬を服用している統合失調症患者>未服用統合失調症患者>健常被験者の順に、QT間隔が有意に長いという結果を得たため、平成26年5月、学術雑誌PLOS ONEに、『QT is Longer in Drug-Free Patients with Schizophrenia Compared with Age-Matched Healthy Subjects』として掲載された。また、統合失調症患者と健常被験者を対象に統合失調症とQT間隔の両方に関連がある可能性のある遺伝子KCNH2、NRG1、AKAP9977、AKAP9978の血液中mRNA発現量を測定しβ-actin、 GAPDHを対象として半定量法で得られた発現量をMann-WhitneyのU検定で比較した。また、統合失調症患者を対象にこれら遺伝子の発現量とQT間隔との関連をSpearmanの順位相関係数で比較検討した。結果としては、AKAP9977は、β-actinとGAPDHのどちらを対象とした場合にも統合失調症患者におけるmRNA発現量の低下を認め、NRG1では、統合失調症患者におけるmRNA発現量の増加を認めた (全てp<0.001)。NRG1と脈拍の間だけ相関が認められたが、QT間隔と遺伝子発現量の間に差は認められなかった。統合失調症とQT間隔の両方に関係があると考えられる遺伝子の一部で血液中mRNA発現量が変化しており、こうした遺伝子に関連した問題が統合失調症患者の一部で生じている可能性が示された。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
PLOS ONE
巻: 9(6) ページ: e98555
10.1371/journal.pone.0098555
Journal of Separation Science
巻: 37(16) ページ: 2087-2094
10.1002/jssc.201400240