研究課題/領域番号 |
24591690
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
丹生谷 正史 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 講師 (00228256)
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研究分担者 |
戸田 裕之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 助教 (00610677)
野村 総一郎 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 教授 (80113091)
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キーワード | ストレス / 抗うつ薬 / オートファジー / アポトーシス |
研究概要 |
ストレスによるラット脳内海馬領域でのアポトーシス信号の亢進、抗うつ効果を有する電気けいれん処置による同領域でのオートファジー信号の亢進を確認し、海外雑誌へ報告した。オートファジーはリソゾームによって細胞内の陳旧化した構造を分解し、神経可塑性に寄与しているのではないかとする作業仮説のもと研究を進めている。また実地研究として自衛隊レンジャー訓練中の血中BDNF(brain derived neurotrophic factor)およびVEGF(vascular endothelial growth factor)の低下を観察し、海外雑誌へ報告した。従来的には運動によってあるいは睡眠時間の低下によって血中BDNFの低下することが報告されていたが、ストレスによる同血中濃度への関与がもっとも強いことが示された。 今後の展開としては内因的精神刺激療法を研究の中心に据える予定である。内的精神刺激療法(Endogenous psychostimulation therapy)とはここでは以下のように考える。電気けいれん療法、磁気刺激療法、実験動物での良環境飼育、もっと広げれば精神療法、認知療法を含む薬を使わない精神科治療は、生体外部から化学物質を注入されることはないものの、生体内部での生物学的反応を引き起こし、うつ病、ストレス性疾患からの回復過程を援助する。機能蛋白を含む多くの内因生体物質が、脳内でいわば薬となって作用していると考える。特定の作用機序をもつ向精神薬を対象とするより、本質的な発見をするために重要である。精神薬理学は偶々発見された効用を研究し、類似物質を作ることで歩んできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
数本の査読を有する海外紙へ投稿し受理されたことで、今後の展開がさらに期待できる状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
電気けいれん以外に、電磁気刺激、良好環境、抗うつ薬長期投与によるアートファジー信号の推移を観察する。
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次年度の研究費の使用計画 |
少額差額が出現した。入札により単価が定まるため回避が難しい。 少額差額については回避が難しいが、なるべく有効使用を心がける。
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