自閉症での神経細胞異常を解析するための研究材料を確立する目的で、自閉症者由来の歯髄細胞からiPS細胞を樹立した。歯髄細胞は10名の自閉症者から14系統作製し、これから3名の自閉症者由来6系統の初期化クローンを得た。うち2系統で多分化能を有することを確認した。こららのクローンは神経前駆細胞マーカーの発現と神経細胞突起様の細胞突起を伸ばす細胞への分化誘導が可能であったが、通常発達者由来のiPS細胞から同様に分化誘導した細胞との明らかな差異を期間内に見いだすには至らなかった。しかし、これら自閉症者由来のiPS細胞はより詳細な解析によって神経細胞異常を解明する目的に資するものである。
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