研究課題
統合失調症の認知機能障害は、患者の社会機能に強く影響するため、その治療には重大な関心が寄せられている。近年、反復的な認知トレーニングを中心的要素とする、認知リハビリテーションによる認知機能障害の改善が試みられている。他方、近年健常人において、スキルトレーニングや認知トレーニングによる脳灰白質などの形態変化が示されているが、統合失調症患者における認知トレーニングについては、その神経基盤はほとんど研究されていない。本研究では、早期を含む統合失調症患者に認知トレーニング介入を行い、その認知機能改善効果および脳形態への影響、および両者の関連を調査することを目的とした。本研究では参加者を認知トレーニングを行う介入群と、同等の時間一般的なゲームを行う対照群に無作為にグループ分けし、また認知機能検査に加えMRI撮像を行った。平成24年度末に介入を開始し、平成25年度、26年度と研究参加者のリクルート、および介入の実施を行ってきた。平成26年度には新規参加者の募集および介入実施を終了し、データ解析を開始した。その結果、介入前後に介入群において処理速度、実行機能などの認知機能領域において有意な認知機能の改善を認め、また介入群において局所灰白質容積の変化を認めた。今後さらに詳細な解析を進めていく予定である。javascript:onTransientSave();
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