研究課題/領域番号 |
24591696
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
清水 徹男 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90170977)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 抗NMDA受容体 / 緊張病 / てんかん / 難治例の統合失調症 / ヒスタミン / パーキンソン症候群 / 多系統萎縮症 / 進行性核上性麻痺 |
研究概要 |
研究目標(1)これまでに緊張病性昏迷として診断・加療されてきた症例や、てんかんと精神症状の合併した症例、難治例の統合失調症として修正型電気けいれん療法を施行されてきた症例の中に抗NMDA受容体脳炎に原因がある場合を考えており、その仮説を検証する。またナルコレプシーや嗜眠性脳炎でも抗NMDA受容体抗体が陽性の群があるとの報告があり、検証する。(2) 視床下部に病変がある2次性の過眠症での髄液ヒスタミン値を検討し、過眠症状の指標となり得るか検討する。 研究実績(1)NMDA受容体抗体が陽性な症例は、現在のところで、緊張病で11例中の7例、精神症状を伴うナルコレプシーで5例中の3例、非定型精神病で71例中の7例、修正型電気けいれん療法を施行されてきた症例の中で70例中2例を認めている。総計で157例中の23例が陽性であった。(一部はTsutsui2012)今後は国立精神神経センターで構築されつつある髄液バンクから検体を提供して頂いて、検索を行う予定である。(2)ヒスタミンに関しては、パーキンソン症候群に含まれる、MSA(多系統萎縮症:59例)、PSP(進行性核上性麻痺:4例)、CBD(大脳皮質基底核変性症:3例)を検討した。オレキシン値は199-345pg/mlと正常範囲内であったが、ヒスタミン値はMSAが平均で2600pg/mlであったのに比べて、PSPは351pg/ml、CBDは306pg/mlと低値であった。またオレキシン値とヒスタミン値に相関は認められなかった。MSAに比べるとPSPの過眠症状は強いことを反映している可能性を考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗NMDA受容体抗体の検索では157例で検討を行い23例で陽性例を見いだしている。ヒスタミンに関しては66例の検討を行えている。
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今後の研究の推進方策 |
NMDA受容体抗体に関しては、国立精神神経センターで構築されつつある髄液バンクから検体を提供して頂いて、検索を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
集積した症例数としては、ほぼ当初の予定通りに近い数を集める事が出来たが、測定の為の実験キット等の消費が今回は想定よりも少なめで済んだために、消耗品代に予算が残った.また出張の回数も少なかったために、予算を消化しきれなかった. 25年度は、測定検体の数を増やして、より検討を進めるとともに、解析作業にも力を入れたいと考えている。また学会にも25年度は例年通りに参加を予定している。
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