研究概要 |
平成24年度の結果から、子宮内仮死モデルラットの海馬と側坐核において活性型ミクログリアの増加傾向を認めたが、前頭皮質と視床では変化がなかった。 平成25年度は、平成24年度と同様の周産期仮死モデル動物作成法を用い、脳部位におけるミクログリア活性に関わる遺伝子発現・蛋白発現の検討脳部位におけるミクログリア活性に関わる遺伝子発現・蛋白発現の検討を行った。方法としてはモデル動物を作成し、脳を摘出後、さらに脳各部位を分取した。脳各部位はRnalaterに4度で一晩漬け置き、次の日余分な溶液を捨て、‐80度で保存した。適宜、必要なサンプルを解凍しTrizol処理を行うことでmRNを抽出し、cDNAを作成、その後Real-time PCRによって目的の因子の発現量を測定した。これらの脳部位におけるミクログリア活性に関わる遺伝子発現・蛋白発現の検討の詳細は以下の通りである。 (1) Real-time PCR法によるmRNA発現量の測定: 活性型ミクログリアが産生するサイトカインおよびフリーラジカル関連因子のmRNA発現量をツーステップReal-time PCR法を用いて測定した。ABI PRISM 7700 Sequence Detection Systemを用いた。測定する因子は、TNF-α, IL-1β, Nitric Oxide に代表される神経障害因子と、NGF, BDNF, GDNF, NT-3, NT4/5, TGF-β,IL-6に代表される神経保護因子である。ラット脳より前頭前野皮質、線条体、海馬の各部位を分け、超音波で均一化した後、Trizol 処理した。Real-time PCRは、SYBR Greenを使用し、プライマーはPrimer3 softwareで作成した。遺伝子発現のデータ解析はΔΔCt method法を用いた。現在結果の解析を行っている。 (2)ウエスタンブロット法によるタンパク質量の測定: Real-time PCR法で測定した因子の蛋白発現量を、ウエスタンブロット法を用いて測定した。サンプルのタンパク質濃度測定にはBCA Protein Assay Reagent Kitを用い定量化した。現在結果の統計処理を行っている。
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