統合失調症はさまざまな異なる病態メカニズムを背景に持つ精神疾患である。すなわち、統合失調症には異種性がある。しかし、これまでの研究の多くでは同疾患は均一な群と扱われており、その異種性にはほとんど注意が払われてこなかった。本研究では、自己組織化マップと非階層型クラスタリング手法を用い、疾患分類などの情報なしに純粋に脳画像データ(皮質厚)情報のみで統合失調症患者群の中に異種なクラスタを見いだすことに成功した。抗精神病薬内服量や臨床症状に特徴を持つクラスタも検出された。本研究の結果は、統合失調症は表現型が同じであっても、その病態に異種性を持つことを示唆している。
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