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2013 年度 実施状況報告書

蛋白品質管理機構を観点としたタウオパチーの病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 24591709
研究機関大阪大学

研究代表者

工藤 喬  大阪大学, 保健センター, 教授 (10273632)

研究分担者 田上 真次  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40362735)
森原 剛史  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90403196)
キーワードタウ / 小胞体ストレス / タウオパチー / アルツハイマー病
研究概要

「蛋白品質管理」機構としての小胞体ストレス反応は、神経変性過程に深く関わることが、応募者らの研究が端緒となって広く認識されるようになってきている。一方、アルツハイマー病の「アミロイド仮説」による治療法が行き詰まる中、タウオパチーが注目されるようになってきている。しかし、タウオパチーの発現機序については詳細が明らかにされたわけではない。本研究は、このタウオパチーの病態解明を、神経変性に深く関わる小胞体ストレスを基盤として、タウの代謝を「蛋白品質管理」の観点から検討し、治療法開発につなげようとするものである。初年度の検討では、まず様々な小胞体ストレスによりタウ蛋白レベルが上昇する現象を確認した。このタウ蛋白の上昇機序をタウの転写および翻訳過程において検討したところ、これらの過程が小胞体ストレスによって影響を受けないことが明らかになった。
そこで、当該年度はタウ蛋白の分解過程に対する小胞体ストレスの影響について検討した。神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞を20分間35Sメチオニン/システインでパルスラベリングし、24時間グルコースを不添加することでERストレスを与えた。タウ蛋白の放射線ラベルをデンシトメトリーで比較すると、ERストレス下ではタウ蛋白の代謝が20%遅延していることが観察された。すなわち、ERストレスによるタウ蛋白レベルの上昇はタウ蛋白の分解過程が遅延することにより発生することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は、タウの合成過程における変化について検討したが、本年度は分解過程に検討を進めた。これは、実験計画どうりの進捗である。

今後の研究の推進方策

最終年度は、当該年度に確認されたタウ蛋白分解過程の小胞体ストレスによる遅延のメカニズムについて詳細を検討する予定である。すなわち、プロテアソームにおける分解過程とオートファジーによる分解過程の2つが想定され、それぞれについて検討を進める。
プロテアソームに関しては、プロテアソーム阻害薬によるタウ蛋白の変化とタウのユビキチンリガーゼとして報告されているCHIPの関与について検討する。オートファジーについては、小胞体ストレス下でのオートファジーとタウの関連について検討する。

次年度の研究費の使用計画

研究を進めていく上で必要な研究費を執行したため、当初の見込み額と執行額が異なった。
研究は順調に進んでおり、前年度の研究費も含め、当初の予定どうりの計画を進めていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Role of endoplasmic reticulum stress in light-induced photoreceptor degeneration in mice.2013

    • 著者名/発表者名
      Nakanishi T, Shimazawa M, Sugitani S, Kudo T, Imai S, Inokuchi Y, Tsuruma K, Hara H
    • 雑誌名

      J Neurochem.

      巻: 125 ページ: 111-124

    • DOI

      10.1111

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Paclitaxel induces neurotoxicity through endoplasmic reticulum stress2013

    • 著者名/発表者名
      Tamimukai H, Kanayama D, Omi T, Takeda M, Kudo T
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun

      巻: 43 ページ: 151-155

    • DOI

      10.1016

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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