研究課題/領域番号 |
24591711
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 稔久 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10294068)
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研究分担者 |
工藤 喬 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10273632)
森原 剛史 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90403196)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | タウ蛋白 / 認知症 / リン酸化 |
研究概要 |
タウ蛋白の自己重合は前述のように14-3-3蛋白などの結合因子が作用すると加速されるが、その中で14-3-3蛋白は細胞内にける含有量が多いにもかかわらず、リン酸化やタウ遺伝子変異重合に関してはほとんど研究されていなかった。我々は今までにタウ蛋白のSer214部位がリン酸化されると14-3-3蛋白との結合親和性が増大することとタウ重合を抑制することを報告してきた。 そこでタウ遺伝子変異が原因となっている家族性前頭側頭型認知症FTDP-17にて認められた変異(ΔK280、P301L、V337M、R406W)を導入した全長型リコンビナントタウ蛋白を用い、まずタウ蛋白と14-3-3蛋白の間の結合親和性を表面プラズモン共鳴法などで定量化して、比較検討する。表面プラズモン共鳴法ではBiacore2000 を用い、マニュアルに従って14-3-3蛋白をフローセル上に不動化し、リガンドとしてタウ蛋白を注入してResponse Unitを測定し、解離常数を算出し、結合親和性に関して検討をおこなった。さらに、我々はタウ蛋白のSer214部位がリン酸化されると14-3-3蛋白との結合親和性が増大すると結合親和性が低下することを把握しているので、この部位をリン酸化するprotein kinase A (PKA) またはprotein kinase B (PKB) などでタウ蛋白をあらかじめリン酸化し、リン酸化を受けた状態でのFTDP-17変異を受けたタウ蛋白の結合親和性を比較検討した。結果として、遺伝子変異したタウは野生型タウに比して14-3-3蛋白との結合親和性が増大した。さらに、リン酸化すると14-3-3蛋白との結合親和性はさらに亢進し全て同じレベルとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
タウ分解過程に関する研究が遅れているが、パルスチェイスの細かいセットアップに時間を要したためである。これは概ね解決されつつあるので、今後は推進したい。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進に関しては、さまざまなリコンビナント蛋白を作成したが、この蛋白の精製に多くの時間を要したので、この点を克服する。 次年度は遺伝子変異したタウ蛋白と他のタウ蛋白結合因子との関係をより詳細に解析する予定であるが、できるだけ効率的にマテリアルを準備し活用したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
タウの遺伝子変異による細胞内分解過程をパルスチェイス法により解析する検討が遅延していたので、この点に関して研究費を使用する。
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