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2013 年度 実施状況報告書

慢性期の統合失調症患者における嚥下障害

研究課題

研究課題/領域番号 24591713
研究機関岡山大学

研究代表者

岡部 伸幸  岡山大学, 大学病院, 助教 (70379767)

研究分担者 寺田 整司  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20332794)
キーワード統合失調症 / 嚥下障害
研究概要

ほぼ、順調に研究を進めているが、当初の計画と比較すると僅かに遅れている面もある。
平成25年度は、研究の実施について、まず実態調査に関する研究の実施について、岡山大学病院の倫理委員会に申請を行った。具体的な内容としては、実際の岡山県内の精神科病院に入院中で、経口的には殆ど或いは全く食事を取ることが出来ず、非経口的な栄養摂取で生命維持を行っている入院患者を対象として、その実態を明らかにする調査とした。大学病院の倫理委員会で承認を得た後に、岡山県下の精神科病院を訪問して、担当となる医師および事務担当者に実態調査の概要を説明し、各病院での研究実施を進めていただくこととした。各病院での調査実施に目途が付いた段階で、時期を統一して(平成26年2月中旬)実態調査を行った。調査は無事に終了し、現在データを入力して、解析に取り掛かろうとしている処である。
また、上記の実態調査に加えて、家族調査も実施するために、研究内容を倫理委員会に申請し承認を得たが、より充実した調査を行うために、現在、修正申請を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね順調に進展しているが、当初の計画と比較すると、僅かに遅れている面もある。ただ、平成25年度に、実際の調査を実施できたことは大きな進展であり、ほぼ計画通りと云うことができる。
平成24年度は今までの研究概要を把握するために文献調査を行った。慢性期の統合失調症でみられる嚥下障害について、抗精神病薬投与によるサブスタンスPの低下と嚥下障害との関連が指摘されていた。また、症例報告としては、遅発性ジスキネジアやラビット症候群による嚥下障害例が報告されていた。ただ、それらの例では抗精神病薬の変更や抗コリン薬の追加により嚥下障害は軽快しており、嚥下障害は一時的な症候に過ぎなかった。一方、胃瘻を造設したり、長期に経鼻栄養を続けなければならない病態については、今までの文献では殆ど言及されていなかった。
平成25年度は、岡山県下の精神科病院を対象として、詳細な実態調査を行った。平成26年2月から3月にかけて調査を実施している。県下に20ある精神科病院のうち18病院が参加しており、非常に網羅的な調査が出来たと考えている。現在データを収集して入力し、詳細な検討に取り掛かろうとしている。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、平成25年度に行った多数例を対象として調査内容につき、その詳細を検討して学会発表する予定である。こうした多数例を対象とした調査は稀であり、検討すべき内容は多いため、発表は複数回になると考えている。そして学会発表の後に、それぞれを論文として報告する。
また今回、調査を行った対象者につき、長期的な追跡調査も検討している。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は、実態調査を行い、研究協力費として研究費を使用した。研究協力費として使用した額が予想より少なくなったため、繰り越し金が生じた。
平成26年後は、家族調査および追跡調査を予定している。また、データの入力・管理を行う人を雇用するための費用も必要となる。さらに、情報収集のための学会出張,および引き続き行われる文献調査のための文献入手費などの費用も、昨年度に引き続き使用する予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] せん妄を見逃さないための注意点2014

    • 著者名/発表者名
      井上真一郎,矢野智宣,小田幸治,川田清宏,岡部伸幸,内富庸介
    • 雑誌名

      精神科治療学

      巻: 28 ページ: 1011-1017

  • [雑誌論文] Argyrophilic grain disease as a neurodegenerative substrate in late-onset schizophrenia and delusional disorders2014

    • 著者名/発表者名
      Nagao S, Yokota O, Ikeda C, Takeda N, Ishizu H, Kuroda S, Sudo K, Terada S, Murayama S, Uchitomi Y
    • 雑誌名

      European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience

      巻: (in press) ページ: (in press)

    • DOI

      10.1007/s00406-013-0472-6

    • 査読あり
  • [学会発表] コントロール不良の2型糖尿病を合併した統合失調症にクロザピンが著効した1例2013

    • 著者名/発表者名
      権淳嗣,稲垣正俊,髙木学,岡部伸幸,内富庸介
    • 学会等名
      第54回 中国四国精神神経学会
    • 発表場所
      高松
    • 年月日
      20131205-20131206
  • [学会発表] レストレスレッグス症候群の治療によりせん妄が改善した一例2013

    • 著者名/発表者名
      井上真一郎, 福島倫子, 土山璃沙, 矢野智宣, 小田幸治, 川田清宏, 岡部伸幸, 内富庸介
    • 学会等名
      第54回 中国四国精神神経学会
    • 発表場所
      高松
    • 年月日
      20131205-20131206
  • [学会発表] CBDにおける精神症状初発群の臨床病理学的検討2013

    • 著者名/発表者名
      池田智香子,横田修,長尾茂人,原口俊,石津秀樹,寺田整司,井原雄悦,秋山治彦,内富庸介
    • 学会等名
      第32回 日本認知症学会
    • 発表場所
      松本
    • 年月日
      20131108-20131110
  • [学会発表] 老年精神医学における器質性病変の重要性2013

    • 著者名/発表者名
      寺田整司,橫田修
    • 学会等名
      第28回 日本老年精神医学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20130605-20130606
  • [学会発表] 遅発性精神病性障害を呈す病理背景とその臨床スペクトラム2013

    • 著者名/発表者名
      長尾茂人,橫田修,池田智香子,大島悦子,石津秀樹,黒田重利,森定ゆみ,須藤浩一郎,中島良彦,寺田整司,内富庸介
    • 学会等名
      第28回 日本老年精神医学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20130605-20130606
  • [学会発表] 岡山大学病院精神科リエゾンチーム-独自性の高い活動内容-2013

    • 著者名/発表者名
      井上真一郎, 土山璃沙, 馬場華奈己, 小田幸治, 矢野智宣, 岡部伸幸, 寺田整司, 内富庸介
    • 学会等名
      第109回 日本精神神経学会学術総会
    • 発表場所
      博多
    • 年月日
      20130523-20130525
  • [学会発表] 初期に行動異常と幻覚を認め,皮質基底核変性症とargyrophilic grain diseaseの病理を有した二剖検例2013

    • 著者名/発表者名
      池田智香子,橫田修,石津秀樹,大島悦子,岸本由紀,武田直也,長尾茂人,坂根克明,寺田整司,武田俊彦,森定ゆみ,森定諦,内富庸介
    • 学会等名
      第54回 日本神経病理学会総会学術研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130424-20130426
  • [学会発表] 晩発性精神病性障害:神経変性疾患の頻度と重症度について2013

    • 著者名/発表者名
      長尾茂人,橫田修,池田智香子,大島悦子,石津秀樹,黒田重利,森定ゆみ,須藤浩一郎,中島良彦,寺田整司,内富庸介
    • 学会等名
      第54回 日本神経病理学会総会学術研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130424-20130426
  • [学会発表] 意識障害から救急搬送され治療導入にいたった慢性経過の神経性無食欲症の一例

    • 著者名/発表者名
      馬庭真利子, 岡部伸幸, 大島悦子, 内富庸介
    • 学会等名
      第37回 日本心身医学会中国・四国地方会
    • 発表場所
      徳島

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公開日: 2015-05-28  

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