研究課題
脳血管性うつ病で認められる抑うつ気分、アパシーなどの臨床症状と脳血管障害の病変部位との関連を詳細に検討し、抑うつ気分、アパシーを引き起こす神経回路網の異常を明らかにするとともに、抑うつ気分、アパシーそれぞれの神経学的基盤に基づいた治療法を開発することを目的として以下の検討をおこなった。抑うつ気分、アパシーなどの臨床症状、脳血管障害の病変部位とモノアミン神経系との関連:60名の脳卒中患者を対象として、年齢、性別、体重、血液生化学的検査、初発年齢、罹病期間、服薬薬剤などの背景因子、1日蓄尿によるモノアミンおよび代謝産物、ならびに抑うつ症状およびアパシーの重症度を自記式評価、脳血管障害の評価として頭部MRIを施行した。結果:モノアミンおよび代謝産物濃度と抑うつ気分、アパシーなどの臨床症状、脳血管障害の病変部位との間に有意な相関は認められなかった。考察:昨年度までの検討により脳卒中後うつ病で頻繁に認められる症状である抑うつ気分とアパシーに関連した神経回路網は一部共通部分があるものの、全体的には別の神経回路網によって制御されていることが明らかとなり、脳卒中後うつ病の臨床症状とモノアミン神経系の異常が基盤にあることが推測されたが、今年度の検討では神経回路網の異常とモノアミンとの関連は明らかにできなかった。この原因としては対象の人数の不足、蓄尿と中枢神経系のモノアミンとの関連性、脳幹など起始核と皮質など投射部位の区別が今回の検討ではなされていない事などが考えられる。今後は上記の問題点を解決して更なる検討をおこなうことを計画している。
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