研究課題/領域番号 |
24591716
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松尾 幸治 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (00292912)
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研究分担者 |
大朏 孝治 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10535256)
山形 弘隆 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10549934)
綿貫 俊夫 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (80610865)
松原 敏郎 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (60526896)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 気分障害 / 脳画像 |
研究概要 |
双極性障害は情動認知が悪いという報告があり、その責任部位の一つに前頭葉が関与していることが想定されている。それを調べるために16名の双極性障害患者、16名の大うつ病患者、20名の健常者の情動刺激課題による脳機能をnear-infrared spectroscopy (NIRS)を用いて測定した。この研究は山口大学医学部附属病院医薬品等治験・臨床研究等審査委員会の承認を得ており、参加者全員に文書及び口頭で研究の趣旨を説明し、文書にて同意したもののみ、研究に参加した。 山口大学医学部附属病院精神科神経科患者を中心にリクルートを行った。構造面接および臨床面接により診断を確定し、症状評価、スクリーニング採血を行った。今回は脳画像検査の比較のみを行い、血液サンプルはとったが遺伝子解析は行わなかった。 その結果陰性情動課題では、双極性障害患者および大うつ病患者は健常者と比較して左前頭部が有意に賦活したが、陽性情動刺激では、双極性障害患者は健常者と比べ両側中前頭部の活動性が有意に減少したが、大うつ病患者では健常者と比べ有意な活動性を示す部位はみられなかった。このところから、双極性障害と大うつ病とでは同じ気分障害に含まれているものの、情動刺激に関しての前頭部の反応性は異なることが示唆された。この結果を基に、今後の双極性障害の白質高信号、全脳体積、軸索走行異常に前頭葉が関心領域の一つとなることが示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
脳体積測定のMRIシークエンスは決まったが、軸索走行のためのMRIシークエンス(Diffusion tensor imaing; DTI)設定はまだ検討中で、予備的測定をしている段階である。そのため、双極性障害患者へのこの測定はまだ行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
DTIのためのMRIシークエンスの妥当性を研究会等に参加し、専門家と議論する。今年度中にDTI計測を行い、また遺伝子解析のための血液サンプル収集を継続し、予備的解析成果を来年度前半で報告していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度の実験内容に変更はなかったが、当初予定していた実験試薬の変更により、7216円未使用額が生じた。この未使用額については、平成25年度の実験試薬の購入に充てる。
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