研究課題/領域番号 |
24591716
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松尾 幸治 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00292912)
|
研究分担者 |
大朏 孝治 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10535256)
山形 弘隆 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10549934)
綿貫 俊夫 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (80610865)
松原 敏郎 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (60526896)
内田 周作 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (10403669)
|
キーワード | 気分障害 / 脳画像 |
研究概要 |
作業記憶、実行記憶といった認知機能障害が双極性障害の中間表現系の一つとして考えられている。しかしながら、双極性障害の即時的意思決定の神経基盤は明らかになっていない。この研究は山口大学医学部附属病院医薬品等治験・臨床研究等審査委員会の承認を得ており、参加者全員に文書及び口頭で研究の趣旨を説明し、文書にて同意した者のみ、研究に参加した。山口大学医学部附属病院精神科神経科患者を中心にリクルートを行った。構造面接及び臨床面接により、診断を確定し、症状評価、スクリーニング採血を行った。 即時意思決定は、ゲーリングらが考案したギャンブル課題を用いて評価した。神経基盤はvoxel-based morphometry(VBM)を用いて脳体積を測定し、この行動との関連について解析した。双極性障害患者は20名、健常者は20名の参加だった。 その結果、双極性障害患者は、健常者と比べて、大きな損得の結果後にハイリスクな行動をとりやすいことがわかった。双極性障害患者は、健常者と比べ、内側前頭前野体積が小さかった。またこの部位体積は健常者でギャンブル課題結果と相関したが、双極性障害患者では相関しなかった。この結果から、内側前頭前野は双極性障害の意思決定異常の病態に関与していることが示唆された。この成果は、2013年の世界生物学的精神医学会のポスターで発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
軸索走行(DTI)のためのMRIシークエンスは決定したが、測定に時間がかかり、大学病院の診療検査枠で測定するには限界があることがわかった。そのため、測定時間は短い脳体積測定のためのMRIシーケンスを優先し、DTIのためのMRIシーケンスは可能な場合のみ測定することに変更した。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、VBMデータ解析を中心に変更することとし、集められた画像結果と血液からの分子生物学的解析を進め最終成果としていきたい。
|