研究課題/領域番号 |
24591718
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
上村 直人 高知大学, 教育研究部医療学系, 講師 (10315004)
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研究分担者 |
下寺 信次 高知大学, 医歯学系, 准教授 (20315005)
池田 学 熊本大学, その他の研究科, 教授 (60284395)
篠森 敬三 高知工科大学, 工学部, 教授 (60299378)
藤田 博一 高知大学, 医歯学系, 講師 (70380326)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 認知症 / レビー小体型認知症 / 運転能力 / 事故予測 / 心理教育 |
研究実績の概要 |
レビー小体型認知症の注意機能に着目したデバイスを共同開発し、認知機能低下を来たした障害者を対象に運転能力の評価が必要であると考えた。検証1としてレビー小体型認知症の視覚認知機能を基盤とした運転能力評価方法を開発し、運転行動を分析した。その結果、視覚機能検査結果では標準偏差比(Attention課題有無に対する有時の位置決め標準偏差)とMMSEの関係では、DLB群(8名)で統計的に有意な相関が認められた(P=0.027)。アルツハイマー型認知症や血管性認知症では本デバイスにおける視覚機能検査では有意な異常は認められなかった。以上から、本デバイスにより、DLBの注意機能を鋭敏に捉え、アルツハイマー型認知症や血管性認知症との鑑別が可能であると考えられ、併せて運転能力評価の指標として活用が出来うると考えられた。検証2では、レビー小体型認知症患者の運転行動評価において、21名中5名(23.8%)が何らかの事故を起こしていた。事故自体は軽微なものが多く、人身事故などはなかった。トレイルメイキングテストではA,Bともに成績が悪く、運転シミュレーター検査でもハンドル操作や注意配分の成績が悪かった。患者自ら運転能力の低下や危険性を自覚している場合もあり、運転中断の勧告には19/21(90.5%)が認知症の告知後速やかに従って、運転中断という生活習慣の修正ができていた。レビー小体型認知症では、疾患による視知覚障害や注意機能の低下により、標識やセンターラインが歪んで見えるなどの自覚があることが判明した。すなわち、レビー小体型認知症では、運転能力の低下があり、それは主として注意機能や視覚認知に関連するものであった。また運転中断勧告に対する反応は比較的速やかに中断が受け入れられていたが、稀ながら中断に対する喪失感や抑うつ感情を自ら語るばあいもあり、運転中断勧告後の精神療法的アプローチも重要である
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