研究課題/領域番号 |
24591719
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中尾 智博 九州大学, 大学病院, 講師 (50423554)
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研究分担者 |
實松 寛晋 九州大学, 大学病院, 助教 (30588116)
吉浦 敬 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40322747)
樋渡 昭雄 九州大学, 大学病院, 助教 (30444855)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | OCD / ためこみ / HD / VBM / 画像解析 / 疫学調査 |
研究実績の概要 |
研究担当者が病歴聴取、診断面接、臨床評価を行った。ためこみ癖に該当した対象者には、臨床評価についての調査を合わせて実施した。SCID簡易版、構造化面接ためこみ障害(HD)版を実施し、同疾患の該当の有無および他の精神疾患の有無を評価した後、HRS-I(Hoarding Rating Scale)とCIR(Clutter Image Rating Scale)により、ためこみ癖の重症度評価を実施した。さらに強迫症状、うつ症状、広汎性発達障害、ADHDの質問紙による評価、構造化面接を実施した。 2015年3月末日までに構造化面接を行った25例中、HDの診断基準に該当した者は17例であった。HD該当者について、平均年齢は43.6±13.5(21~73歳)であった。ためこみの対象物は、衣類、本類、袋・入れ物類、書類、郵便物、趣味の品など多岐にわたった。重症度評価の一つであるHRS-Iの平均値は、26.5±6.5(cutoff 14)であった。 また我々はCIRSを用いてためこみ症状の重症度評価を行い、ためこみ症状の重症度と灰白質体積についてHD4名、OCD22名、HC10名の3群でVBMによる一要因の分散分析を行い、有意差のある部位は検出されなかった。更に、DY-BOCSの溜め込みに点数がついているOCD患者22名についてDY-BOCSの溜め込み症の重症度と体積の相関のある部位を調べたが、多重比較補正では有意な相関を認める部位は検出されなかった。多重比較補正なしでは、有意な負の相関のある部位がいくつか検出された。 今回は溜め込み症の患者のサンプルサイズが小さく、画像解析で有意な結果は得られなかったが、OCD患者のためこみスコアを用いた相関解析では、いくつかの候補部位が見出されており、今後サンプル数をさらに増やして再度検討を行いたいと思う。
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