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2012 年度 実施状況報告書

活性化ヒトグリア細胞による神経毒性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 24591721
研究種目

基盤研究(C)

研究機関島根大学

研究代表者

橋岡 禎征  島根大学, 医学部, 講師 (00622523)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード国際研究者交流 / カナダ
研究概要

ヒト初代培養グリア細胞を用いて、ヒトグリア細胞の神経毒性を導く炎症性活性化プロセスの解析、ならびにヒトグリア細胞の神経毒性を抑制する薬物の同定を行った。具体的にはMTT法およびLDH法による神経毒性評価を行い、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤が、interferon(IFN)-γによって活性化されたヒトアストロサイトの神経毒性を有意に抑制することが明らかになった。またL型カルシウム拮抗剤は活性化ヒトアストロサイトのみならず活性化ヒトミクログリアの神経毒性をも有意に抑制することが明らかになった。ウェスタンブロット解析により、これらの薬物は活性化ヒトアストロサイト内における症性転写因子STAT3の705チロシン残基のリン酸化を抑制することが分かった。またELISAにより、これらの薬物は活性化ヒトアストロサイトが産生する炎症性物質IFN-γ-inducible T cell alpha chemoattractant(I-TAC)を有意に抑制することが分かった。この結果、活性化ヒトアストロサイトの神経毒性およびI-TAC産生は、STAT3リン酸化を阻害することによって抑制されることが示唆された。以上により、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤およびL型カルシウム拮抗剤が、活性化グリア細胞が病理的に関与している神経変性疾患の治療に応用できる可能性が見出されたのは言を待たないが、神経変性疾患の治療薬を開発する上で、STAT3の705チロシン残基が分子ターゲットになり得る可能性も見出された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

H24年度は主にin vitro系の解析を行い、上記のように順調に進展させることができた。ただ、ヒト死後脳を用いたin vivo系の解析は進んでおらず、これはH25年度以降の課題である。

今後の研究の推進方策

上述の通りin vitro系解析の結果をふまえ、H25年度以降はヒト死後脳を用いたin vivo系の解析を中心に、ヒトグリア細胞の神経毒性・活性化プロセスの解明を行っていく予定である。

次年度の研究費の使用計画

H24年度は学会出張を控えたため約13万円に繰越金が生じたが、おおむね計画通りの使用状況と思われる。H25年度以降も、繰越金を合わせカナダでの共同研究費、薬品代等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Inhibition of human astrocyte and microglia neurotoxicity by calcium channel blockers2012

    • 著者名/発表者名
      Hashioka S, Klegeris A, McGeer PL
    • 雑誌名

      Neuropharmacology

      巻: 63 ページ: 685-691

    • DOI

      10.1016/j.neuropharm.2012.05.033

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The histone deacetylase inhibitor suberoylanilide hydroxamic acid attenuates human astrocyte neurotoxicity induced by interferon-γ2012

    • 著者名/発表者名
      Hashioka S, Klegeris A, McGeer PL
    • 雑誌名

      Journal of Neuroinflammation

      巻: 9 ページ: 113

    • DOI

      10.1186/1742-2094-9-113

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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